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【新疑惑】キム・ゴンヒ夫人が“統一教会”から高級ネックレスを“不正授受”か 夫人に接近する教団元ナンバー2の男性の思惑とは?さらにキム氏と家族ぐるみで親交がある謎の“占い師”の正体は―?
2025年5月21日 UP
韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻・金建希(キム・ゴンヒ)氏が、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”から高級ネックレスなどを不正に受け取ったという疑惑が浮上しています。夫人に近づく教団元幹部の男性とは?さらに双方の仲を取り持ったとされる、謎の“占い師”の男の正体は―?『コリア・レポート』編集長・辺真一氏の解説です。
■キム・ゴンヒ夫人に“統一教会”から高級ネックレス贈答疑惑が…夫妻の自宅マンションを家宅捜索へ
“統一教会”が高級ネックレスをキム・ゴンヒ氏にプレゼントしたのではないかという疑惑が浮上し、2025年4月30日、ユン前大統領夫妻の自宅マンションに家宅捜索が入りました。今回の家宅捜索での押収品は、携帯電話・パソコン・メモ帳などですが、この携帯電話が新型のiPhoneで、開通から約20日しか経っていないため、分析は難航するとみられています。
令状は『“統一教会”元本部長がキム氏に贈り物を提供した』『元本部長への大統領就任式招待』などに対し、出ているといいます。
“統一教会”の元本部長で“ナンバー2”とされる男性が、仲介人である“占い師”のチョン・ソンべ被告を通じて贈り物を贈り、キム氏はそれを受け取ったという疑惑が浮上しています。さらに検察は“統一教会”側から、“占い師”に約300万円の現金が送金されていることを確認しているとのことです。
実は、『請託禁止法』という法律があり、『公職者の配偶者が、公職者の職務と関連して一回100万ウォン(約10万円)以上、年間300万ウォン(約30万円)以上の金品を受け取ってはならい』と規定されています。
もし、疑惑が真実で、キム・ゴンヒ氏が金品を受け取り、ユン前大統領が届け出ていない場合、ユン前大統領に、3年以下の懲役、または3000万ウォン(約300万円)の罰金となります。この規則には、配偶者を処罰する規定はないため、キム氏には何の処罰もありません。
(『コリア・レポート』編集長・辺真一氏)
「ユン前大統領が当選した際に、夫妻は財産・資産を申告しました。その申告に、6000万ウォン(600万円)相当のネックレスが含まれていないとなると、当然“虚偽”という形で罰せられるので、今、検察がこのネックレスが、実際にキム夫人の手に渡っているのか、どこに行ったのかを一生懸命、捜しているんです」
■「実質的にナンバー2の位置にいた」キム夫人に近づく“統一教会”元幹部の思惑とは―?
そして、ユン前大統領夫妻に近づく元幹部の男性は、“統一教会”の元ナンバー2だといいますが、いったいどんな人物なのでしょうか?
(ジャーナリスト・鈴木エイト氏)
「約2年前まで教団の実権を握っていて、実質的にナンバー2の位置にいた。韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁のお墨付きを得て、世界本部長に就任して、妻が教団系の財団のトップに就いていまして、教団関連の財務関係は一族が握っていたという状況が続いていた」
Q.なぜ、キム・ゴンヒ氏に接近したのでしょうか?
(鈴木氏)
「もともと“統一教会”も歴代の韓国大統領と、いろいろ近しい関係を築いてきた。直接、ユン大統領とのパイプが全くなかったわけではないと思うが、夫人を通して前大統領に接近したかったのでは」
“統一教会”が贈ったのは、イギリスの高級ブランド「グラフ」の、約600万円するダイヤモンドのネックレスとみられています。キム氏は、2022年にスペインを訪問した際に、フランスの高級ブランドのダイヤのネックレスを着用していましたが、これが国内で物議になり、キム氏は「知人からの借り物」だと釈明しました。
Q.なぜ、高級ネックレスを“統一教会”が贈ることになったんですか?
(辺氏)
「当時、『ウソをついているのでは?』『借り物ではないのでは?』と言われていたんですが、実際には野党もそれ以上、追及できなかったんです。検察の取り調べによると、そのやり取りを見ていた“統一教会”ナンバー2の本部長が『キム夫人は、この種のネックレスが欲しいんだ』と思い、プレゼントしたということです」
他にも“シャネルのバッグ”や“高麗人参の酒”など、贈り物の総額は数億ウォンになるとみられています。
“統一教会”元本部長の供述によると、「キム・ゴンヒ氏への贈り物は“統一教会”のハン・ハクチャ総裁の意向に従ったもので、総裁の決裁をうけた」としています。
しかし、今回の検察の家宅捜索では、“贈り物”は確認できませんでした。そして、仲介役である“占い師”の供述によると、「(贈り物は)紛失してしまって、キム氏に渡していない」と話しています。
(辺氏)
「家宅捜索したとき、令状には、あくまで“キム夫人を参考人として、キム夫人の持ち物を捜査する”とあったので、同じ家の中であっても、ユン前大統領の部屋や書斎は、捜査対象外になっているんです。なので、ネックレスが見つかるはずがないという見方もあります。あるいは『どこか別の所に持ち出したのではないか』『本当に渡していないのではないか』など、色々なことを言われています」
■キム氏と家族ぐるみで親交が?“仲介役”である謎の“占い師”の正体とは―?
“統一教会”とキム夫人の仲介役である“コンジン法師”ことチョン・ソンべ被告(65)ですが、現在は別の疑惑で“被告”となっています。2018年の地方選挙介入で現在公判中とのことで、家宅捜索では有力政治家・企業家・検察・警察など、数百人分の名刺が見つかっています。
兵役免除を受けて20歳から祈祷費を受け取る仕事をしていました。2000年代には飲食やファッションなどの事業をしていましたが、詐欺容疑で服役したこともあるとのことです。そして2010年代には“占い師”として祈祷費で生計を立てていたといいます。
そして、キム・ゴンヒ氏との関係性ですが、“占い師”の仕事関係者の話によると「キム氏が20代のときから親交があり、一家が占い好きなので、そうしているうちに会ったのでは」としています。
さらに、キム氏の母親との関係も明らかになってきていて、通話の記録が残っているといいます。2024年の9月から12月に、通話を10回行っていて、非常戒厳の3日後には47分間の通話記録が残っているとのことです。
さらに、自宅から出所が不明の多額のお金が押収され、その一部に、国が発行する『官封券(帯封をつけた札束)』5000万ウォンが含まれていたといいます。中には、ユン前大統領の就任3日後の印字もあり、政府の関与も疑われています。
(辺氏)
「『官封券』の印字されたものを見ますと、2022年5月13日に、銀行から引き出されている。ということは、2024年12月までの1年7か月間、手付かずのまま置いていたということになる。そうすると、これだけの現金を、誰が渡したのかという話になってくる。これは民間人には引き出せないんです。政府機関や情報機関とか、特殊な扱いのお金なんです。
時期的に見ると、2022年5月13日ですから、仮にユン前大統領が、大統領になったあとに渡していた場合、この“占い師”が、大統領選挙期間中に、一緒に遊説で回って票集めをしていたことに対するお礼として渡したのか、あるいは、これからもユン大統領夫妻のために、色々な形で動いてもらいたいとう、“大統領の交際費”か“特別活動費”が渡ったのではないかとみて、検察は調べています」
Q.キム・ゴンヒ夫人は、『政治介入疑惑』や『ドイツモーターズの株価操作疑惑』などで、国会の聴聞会に呼ばれ、心神耗弱で欠席しているとのことですが、今後どうなっていきますか?
(辺氏)
「これまでは、ユン前大統領が拒否権を発動し、キム夫人は捜査対象から外れていたんです。でも、もう“ただの人”になったので、検察からすると、いつでも出頭させることができる。3つの捜査機関が競って、誰が先にキム夫人に手錠をかけるか、起訴するのかという時間との戦いになっている。今後、容疑が固まれば、参考人じゃなくて、容疑者としてキム夫人を逮捕するという方向に、今は流れています」
(「情報ライブミヤネ屋」2025年5月7日放送)


