記事
【解説】「コンロの消し忘れ」も責任なし⁉火災で周囲に延焼したら法的責任どこまで?“もらい火事”に備えて火災保険の確認を
2026年3月21日 UP
記録的な少雨で乾燥状態が続き、複数の家屋が燃える火災が相次いでいます。もし自宅で火事が起き、隣の家まで延焼させてしまったら?一方“もらい火事”の補償範囲は?亀井正貴弁護士&嵩原安三郎弁護士のダブル解説です。
■自宅の火事が延焼した場合、法的責任は?
2026年2月~3月にかけ、全国各地で火災が相次いでいます。中には、住宅など少なくとも10棟が焼けたり、ケガ人や死者が出たケースも…。
もし自分の家が出火元となった場合、法的責任はどうなるのでしょうか?弁護士・亀井正貴氏によると、「重大な過失でなければ、延焼した家の賠償責任はない」ということです。
Q.『重大な過失』がポイントですか?
(亀井正貴弁護士)
「軽過失であれば免れますが、軽過失か重過失かの判断は非常に難しいです。判例や前例はありますが、『これは重過失か?軽過失か?』と迷うケースは結構あります」
■責任なし・ありの判断は?“もらい火事”の補償は?
出火元の責任が「なし」となるのは、軽過失の『コンロの消し忘れ』『電気配線の経年劣化』や、『放火された』など他に責任がある場合です。一方で、“もらい火”で自宅が火事になった場合、亀井弁護士によると「“もらい火事”の被害は原則、自分の火災保険で対応」ということで、原則、出火元に賠償を求めることはできません。
Q.『コンロの消し忘れ』は、責任なしになるんですか?
(弁護士・嵩原安三郎氏)
「これは原則の話です。例えば、天ぷらを揚げている時に離れてしばらく帰ってこないとか、飲食店など業者が消し忘れるとか、そういう時は違うこともあります。一般的な家庭で“つい忘れた”という場合は、責任はないということです」
Q.場合によっては、裁判になることもありますか?
(亀井弁護士)
「もちろん結構あって、地裁・高裁で判断が分かれることもあります」
一方で、出火元の責任「あり」となる場合は、『油を放置して外出』『寝たばこ』『ガソリンを大量保管』『子どもの火遊び』『空き家の管理者』などがあります。
Q.例えば、空き家の電気配線が古くなって出火した場合は、どうなりますか?
(亀井弁護士)
「電気配線の経年劣化の場合には、責任なしの軽過失になります。ただ、もし放火だったら、廃屋に置いてある物の中に燃えやすい物があったり、部外者が簡単に出入りすることを放置したりした時は、『火が出るかもしれないから管理しなさい』ということになり、『責任あり』と判断されることもあります」
そして、嵩原弁護士が“重過失になるケース”として指摘するのは…。
(嵩原弁護士)
「例えば、一度目の小火(ぼや)は軽過失でも、その後に何も対策せず、もう一度小火を出した場合は、重過失になった例もあります」
■いざという時のために火災保険の確認を
火災保険について、ファイナンシャルプランナー・山口京子氏は「法律上、加入は“任意”だが、住宅ローン契約時に加入を求められることが多い。他の自然災害(落雷・台風・雪など)に加えて、盗難被害を補償する契約もある」と話しています。
火災保険には、新築時と同等の建物を再築するのに必要となる金額を補償する『新価(再調達価額)』と、新価から消耗や経年劣化分を差し引いた額を補償する『時価』という2つの基準があります。最近の契約だと『新価』が多い一方で、昔は『時価』が多かったということです。
最後に、火災による被害を補償してくれる火災保険について、嵩原弁護士からアドバイスです。
(嵩原弁護士)
「住宅ローンに火災保険をつける理由は、銀行にしてみると、住宅が燃えた時に担保がなくなるからです。だから、銀行のオススメでつけた場合は再調達価額(新価)になっていることが多いですが、確認はしたほうが良いです」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2026年2月26日放送)


