記事
【注意】その『国勢調査』は本物ですか?“国民の義務”に便乗した詐欺の可能性も…気を付けるポイントを専門家が解説
2025年10月1日 UP
5年に1度行われる国勢調査のタイミングで、“不審な事例”の相談が寄せられています。それらは“国民の義務”に便乗した新たな詐欺の可能性も…。具体的な事例を特殊詐欺に詳しいジャーナリスト・多田文明氏が解説します。
■『国勢調査』に便乗した詐欺?3つの“不審な事例”
国勢調査は、5年に1度行われる統計調査で、2025年は9月20日から10月8日まで実施されています。氏名・性別・家族構成など、17項目の調査項目があり、回答は義務となっています。警察などは「義務であることにつけ込み、国勢調査を装って個人情報等をだまし取ろうとする詐欺に注意してください」と呼びかけています。
国勢調査で“不審な事例”のパターン1つ目が、電話です。
国民生活センターによると、2025年3月、自動音声で「国勢調査に協力しないとブラックリストに載る」という電話があったといいます。また、“調査員”を名乗る人物から、家族の個人情報・税金の支払い状況などを尋ねられた事例もあったということです。
基本的に国勢調査で電話がかかってくることはなく、例外として、記入ミスなどがあった場合には、市町村から連絡がくることがあります。
■不審なメールのURLを開くと…
そしてパターン2つ目は、メールです。
北海道警が国勢調査をかたったメールを公開しました。そのメールには『【特典について】2025年9月16日までにオンラインで回答を完了された方には、感謝の気持ちとしてオリジナル記念品を進呈いたします』と書かれていました。
そもそも、国勢調査は9月20日からなので、『16日まで』という日付がおかしいことが分かります。さらに『▼オンライン回答はこちら』という文言の下に、URLが書かれていますが、多田さんによると、この不審なURLを開くと、ニセモノのホームページ(画像左側)が出てきて、個人情報を盗むためのニセサイトに誘導されるということです。
そのニセホームページの先には、本物に似せたログインページが出てきます。そこには電話番号を入力する項目が…
(特殊詐欺に詳しいジャーナリスト・多田文明氏)
「まず“電話番号を入れさせる”というのが、目的ですね。私はあえて、注意喚起のためにログインしてみました。すると、スマートフォンに、ショートメッセージで認証コードが届きます。今回の場合は有名なキャラクターグッズを販売する公式サイトからのショートメッセージでした。つまり、この電話番号と認証コードを使い、犯罪グループがこの販売サイトに不正ログインして物を買うというのが一番の目的なんです」
そもそも、国勢調査はメールでは来ませんし、“特典”というものもありません。
■家に訪問まで…本物の国勢調査員の見分け方は?
そして、パターン3つ目が、訪問です。
国民生活センターによると、2025年8月、40代の女性が自宅にいたところ、男性が「国勢調査です」と訪ねてきたといいます。ただ、女性がこの男性に、調査員証の提示を求めたところ、男性は提示せず、その場を去ったということです。
本物の調査員は、顔写真・公印付きの調査員証、そして『国勢調査』と書かれた手提げ袋を持っています。
国勢調査を装った詐欺については、警察庁も注意喚起を行っています。
●銀行口座の暗証番号の確認はしません
●クレジットカード番号の確認はしません。
●金銭を要求することはありません。
●資産状況を確認することはありません。
Q.基本的なことですが、一つ一つ確認することが大事ですね
(多田文明氏)
「そうですね。時代によって国勢調査に便乗する詐欺の手口は少しずつ変わっていて、二十数年前は訪問をして『国勢調査には手数料がかかる』と言って、お金をだまし取っていく事例がありました。今はフィッシング詐欺メール、いわゆるニセのメールがたくさん来て、その中に紛れ込ませて個人情報を取ろうとするケースがあるので注意したほうがいいです」
(「情報ライブミヤネ屋」2025年9月25日放送)


