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【独自解説】今度はカンボジアで…特殊詐欺グループ、日本人19人が逮捕へ!“対面ナシ”詐欺は罪悪感が希薄に…「プリペイドカードを買ってきて」は詐欺!
2023年4月11日 UP
“ルフィ”で世間を騒がせたフィリピン拠点の特殊詐欺事件発覚から数か月。またしても東南アジアで大規模な特殊詐欺グループが摘発され、日本人の男19人が逮捕へ…事件発覚のきっかけは、現地大使館への通報でした。男らが拠点としていたのは、カンボジアのリゾート地・シアヌークビル。
なぜ、東南アジアが特殊詐欺の拠点になるのでしょうか?元埼玉県警・佐々木成三氏が解説します。
詐欺グループが東南アジアを拠点にする理由と、その手口
Q.なぜ、特殊詐欺の拠点が、東南アジアに広がっていっているのですか?
(元埼玉県警・佐々木 成三氏)
「東南アジアは日本との時差がさほどなく、スマートフォンやSIMカードなどの通信機器が身分証明書なしで買えます。特殊詐欺グループにとっては活動しやすく、拠点になりやすいです」
Q.今回拠点となったカンボジア・シアヌークビルは、どういった場所なのですか?
(佐々木氏)
「ここは中国資本により大規模なリゾート化が進んでいる場所で、中国人犯罪も多いです。過去にも、かなり多くの中国人が検挙されています。特殊詐欺をやっている中国人による組織犯罪も、蔓延しています」
今回の手口で使われたのは、電子マネーでした。これはプリペイドカードとも言われ、「未納料金がある」など嘘の情報と連絡先が書かれたメールを被害者のスマートフォンに送信し、慌てた被害者がかけてきた電話に対応した詐欺グループが電子マネーの購入を指示、被害者がそのカードのID番号を教えることで換金できるというシステムです。
“電子マネー”「プリペイドカードを買ってきて」は詐欺…不安煽られても冷静に
Q.今回の事件では、「有料サイトの未払い料金がある」と被害者にコンタクトを取ったようですが、有料サイトを使ったというデータや履歴が流出しているのですか?
(佐々木氏)
「いえ、そんな名簿はありません。こういった文章を送って、思い当たる節があったり、騙される人だけをターゲットにしています」
一般社団法人日本資金決済業協会は、「有料動画の閲覧履歴があります」「料金が未納です」「裁判にします」「身辺調査をします」といったメールなどには注意するよう呼び掛けています。
Q.加害者と被害者が一度も会わないというのが、このような詐欺の特徴ですよね
(佐々木氏)
「顔を合わせないことが、容疑者にとっては罪悪感の希薄さにつながっており、被害者がどんどん増えている理由になっていると思います」
国民生活センターは、「カードに記載された番号などを相手に伝えることは、購入した価値を全て渡したことと同じで、一旦相手に渡した価値を取り返すことは非常に困難です」と、警鐘を鳴らしています。
(佐々木氏)
「不安を煽って冷静な判断をさせないというのが、こういう犯罪グループの手口ですので、必ず周囲に相談するというのが重要です」
分からないことには決して触れず、迷惑をかけているかも思っても、一旦立ち止まる勇気を持ってください。少しでもおかしい、違和感があると思ったら、消費者ホットライン188へお電話を。近くの消費生活センターなどの窓口に案内されるということです。
(情報ライブミヤネ屋2023年4月10日放送)


