10404「強取」

2026 . 6 . 3

10404

 

 

5月11日のニュースを見ていたら、こんなフレーズが出て来ました。

「金品を強取したわけでもなく」

この中の、

「強取」

という言葉は、

「ゴーシュ」

と読んでいましたが、聞き慣れません。意味は恐らく、

「強引に奪取・窃取した」

ということなんでしょうね。でも、音だけ聞いたら、宮沢賢治の、

「セロ弾きのゴーシュ」

を思い出します。アクセントも同じだし。

「三省堂国語辞典」を引いてみたら、

*「強取」=(文)むりやり取りあげること。(例)金品の強取をくわだてる

とありました。

「明鏡国語辞典」は・・・あれ?載っていない。

「新明解国語辞典」も「ごうしゅ」は「強い酒」の意味の「強酒」しか載っていません。

「岩波国語辞典」も「酒に強い人」の意味の「豪酒」(つまり「酒豪」か)のみ。

「新選国語辞典」「三省堂現代新国語辞典」「現代国語例解辞典」にも載っていません。

さすがに「精選版日本国語大辞典」には、短くですが載っていました。

*「強取」=無理に取り上げること。強奪。きょうしゅ。(「英和外交商業字彙」(1900))

「日国」にしては、やけに短いな。

「広辞苑」にも、短いですが載っていました。

*「強取」=強奪。強盗罪を構成する行為。

あ、そうか!これは「刑法」に関する、

「法律用語」

なんだ!

そして「大辞林」の記述が、一番納得できました。

*「強取」=(法)暴行や脅迫を用いて相手方の反抗を抑圧したうえで財物を奪うこと。

この記述が、具体的でわかりやすくていいと思いました。

しかし、ニュース原稿だと、もっとわかりやすく、

「強奪」

でいいんじゃないのかなとも思いました。

「ゴーシュ」

と聞いて、

「強取」

という単語を思い浮かべるのは、警察や検察・弁護士・裁判官など、

「法律関係者だけ」

なのではないでしょうか。

 

(2026、6、3)