10316「『たま』は『頭』か?」

2026 . 3 . 11

10316

 

 

日経新聞「私の履歴書」で3月1日から連載しているのは、元厚生労働省事務次官の、

「村木厚子さん」

です。久しぶりに読み応えのある「私の履歴書」です。村木さんと言えば、ご存じのように、「無実の罪」で逮捕・起訴され、その裁判で検察側の「捏造」が暴かれ「無罪」を勝ち取った人です。

3月9日のこの欄で、

「裁判に勝つ6つの法則」

というのが記されていました。それは、

「裁判官・弁護士・検事の力量」

という「3つ」に加え、

「玉(被告人)がいい」「(事件の)筋がいい」「運がいい」

の「3つ」を加えた「6つ」です。つまり、

「裁・弁・検・玉・筋・運」

ですね。

「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」

の「八犬伝」みたい・・「六犬伝」か。

村木さんは、このうち最後の「運」は如何ともしがたく、ものすごく難しいと思ったと書いています。私はこの中の、

「玉がいい」

というのを見て、この「玉」というのは、

「いい『たま』」

「『たま』そろえないと」

「『たま』取ったる」

というような場合の「たま」と同じだと思うと同時に、これは、

「頭」「頭数」「人」

の意味ではないか?その

「『あたま』の『あ』が脱落して『たま』なのではないか?」

と思ったのです。

「三省堂国語辞典」で「たま(玉)」を引くと、なんと意味が「13種類」も載っていて、その中の9番目に、

「(俗)人物」

とありましたが、語源には触れていませんでした。

「精選版日本国語大辞典」もたくさん意味が出ていて、その中から「これかな?」というものを抜き出すと

「すぐれた人、気のきいた者。」

「大事な人や物。話題や事件の焦点となっている人物や物。そのもの。そいつ。」

「一般に人や物をそれとさしていう。」

「そういう人物、その程度の人物の意で用いる。軽くあざけっていう場合が多い。」

「策略などの手段に用いるもの。人、物、金銭などについていう。また、単に現物あるいは資金としての現金などをさしていう。」

で、「語源」については書かれていませんでした。あ、

「『たま』取ったる」

の「たま」は、

「親分(の命)」

の意味のようです。

 

(2026、3、11)