10292「以上をもって」

2026 . 2 . 19

10292

 

 

2月9日、日本テレビの番組を見ていたら、昔、放送していたドラマ「女王の教室」の当時の収録風景(クランクアップ時の様子)を流していました。天海祐希さんがその日のゲストだったからでしょう。その際に、ADなのか監督さんなのかが全体に向かって大きな声で言った言葉のフォローテロップが、

「以上を持って終了です!」

だったのです。それを見て違和感が。この「持って」は間違いで、

「以(もっ)て」

ではないか?と。しかし、

「以上を以て」

だと「以」が2回出て来て、

「もってもって」

と「重複」になってしまいます。「ほかほか弁当」みたいです。

つまり、ここでの正しい言い方は、

「以上で終了です!」

なのでしょうね。

「以上」の本来の意味は、

「上を以(もっ)て」

で、上に書いてきた文章を「締める」際の言い回しでしたからね。

そして「以て」で「もって」と読むのは、

「表外訓=常用漢字表に載っていない訓読み」

ですから、漢字を使わずに「平仮名」で「もって」と書くと、

「持って」

と勘違いしてしまい、間違いを招くということなのでしょう。

つまり今後は、

「以上をもって」

という言い方はやめて、

「以上で」

と、シンプルに言うようにしたほうがいいんじゃないかな、ということでした。

 

(2026、2、18)

(追記)

いつも愛読してくださっている、東京の「門外変人」さんからメールを頂きました。

「青空文庫」で「以上を以て」を検索して下さり、古くは、

*1916年 吉野作造「憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず」

*1919年 芥川龍之介「路上」

*1925年 内村鑑三「ヨブ記講演」

などから「以上を以て」の例を引用してくれました。その上で、

「文法的には正しくないかもしれないが、かなり普通に使用されているのが現状だ」

というご意見です。

たしかに「以上を以て」と言ってクレームが付くことはないでしょう。

「これより開会させていただきます」「司会を務めさせていただきます」

などの、

「させていただく」

は、結構クレームが入ることが多いのですが。

門外変人さん、どうもありがとうございました!

(20926、2、25)