10271「『安孫子』という地名」

2026 . 2 . 9

10271

 

 

漫才の「ナイツ」のネタの中で「自己紹介」をするのがあって、ナイツの2人がともに千葉県出身だと。そして塙さんは、

「我孫子(市)」

出身だと。その「我孫子」の漢字の説明をするネタがあるんですが、確かに「我孫子」と書いて、

「あびこ」

と読むのは、知らないと難しいですよね。

千葉県に「我孫子(市)」はありますが、大阪市にも「我孫子」という地名はあります。全国にあるんですね。大阪に住んでいた私は、子どもの頃から「我孫子」は「読めることは、読める」んですけど「(読み方が)そうだったんだ」で終わってしまって、

「なんであの字を書いて『あびこ』と読むのか?」

にまでは思いが至りませんでした。「そういうものなんだ」と思うだけで。

ところがきょう(2月6日)、網野善彦さんの「海民と日本社会」(新人物文庫)という本を読んでいたら、

「網曳御厨(あびこのみくりや)(または「あみひきのみくりや」)

という言葉が出て来て、それを見てひらめきました。

「もしかしたら『我孫子(あびこ)』という地名は、この『網曳(あびこ)』に由来しているのではないか?」

と。網野さん(「アミノ酸」ではない)によると(あ、著者も「網」だ!)、

「網漁業」

というのは、「瀬戸内海漁撈の一つの特徴」だそうで、「鴨社供祭人」(上賀茂神社・下鴨神社と関係あるのかな)も「供祭人」を、

「網人」

と言ったとのこと。それは、

「瀬戸内海の漁民のこと」

を指し「長洲御厨供祭人」も「網人」と呼ばれたそうです。つまり職業が、

「漁師」

なのですよね。もしかしたら沖縄でいうところの、

「海人(うみんちゅ)」

かな。

「我孫子」の地名について検索してみたら、「大阪の我孫子」の地名の由来に関しては、まず現在の「あびこ」に関して、

「地下鉄(大阪メトロ)御堂筋線・あびこ駅」

「JR阪和線・我孫子町駅」

「南海高野線・我孫子前駅」

があることを示した後で、「町名の由来」は、

「依羅吾彦(よさみあびこ)」

が居住していたから、だそうです。「依羅氏」は、

「百済系の渡来人の氏族」

で、住吉区庭井あたりに移住し、その地を

「大依羅(おおよさみ)郷」

と称したそうです、「庭井」には「大依羅神社」があり、この神社の祭神の子孫が、

「依羅吾彦(よさみあびこ)」

なのだそうです。

「吾(ア)」

「我=朝鮮語のア」

から出たのもので、

「孫子=孫の子」

「隔子=彦」

となり、

「吾彦=我孫子」

となったという説が、まず記されていました。

そしてもう一つの説は、

「あびこ」=「網曳子」=「網を曳く人」=「漁師」

というもので、

「依羅(よさみ)=「寄網」

「吾彦(あびこ)=「網曳」

とする説もあるそうです!ほらほら!

そうすると、あれですよ、大阪の「我孫子」の近くには、

「住吉大社」

があるじゃないですか。住吉大社も「えべっさん(恵比須様)」、関係ありますよね。

「恵比須様」

と言えば、

「鯛を釣った釣り竿」

を持っている。ということは、

「漁業の神様」

ですよね。「網」ではなく「竿」だけど。

地名と現在の状況がつながって来たのではないかな?面白いですね!

なお、「えびす」の漢字表記は、

「夷」「戎」「胡」「蝦夷」「蛭子」「恵比寿」「恵比須」「恵美寿」「恵美須」

などがあるそうです。あ、そうか

「えみし」(emisi)

「えびす」(ebisu)

は多分、「元は同じ」ですね!

 

(2026、2、6)