10186「イカレポンチ」

2025 . 12 . 1

10186

 

 

沖縄に行って来ました。伊丹空港からだと2時間ちょっと。その間にちょうど1本映画を見られました。公開時に映画館で見ていなかった「リロ&スティッチ」。こんなお話の内容だったとは知りませんでした。「スティッチ」って、宇宙人が作った生き物というか兵器というか、そんなものだったんですね。それの発明者に対して周囲がいうセリフ(日本語吹き替え)で、こんな言葉が。

「どんなイカレポンチが作ったんだ」

「私がそのイカレた科学者です」

わあ、

「イカレポンチ」!!

久々にこんな言葉をお聞いたなあ。テレビではもう出て来ないというか、テレビでなくても、まず耳にしない言葉ですねえ。「死語」だと思っていました。子どもも見るであろうこんな映画の「日本語吹き替え」で出て来るとは!ちょっとビックリしたのでした。

「三省堂国語辞典」には載っているかな?・・・引いてみたら、ちゃんとしっかり載っていました!

*「いかれぽんち」=(「イカレポンチ」とも書く)<古風・俗>まぬけなお人よしの男。(戦後から流行したことば。)【由来】「ぽんち」とは「坊(ぼん)ち(=ぼんぼん)」に「ポンチ(=漫画)」の連想が加わったことば。

そうだったのか!「ぼんち」からということは「上方の言葉」なのかな。

そして「大辞林」には、

*「いかれぽんち」=【「ぽんち」は関西方言「ぼんち(=坊(ボン)」の転)軽薄で不まじめな男。

とありました。やっぱり「関西由来の言葉」だったのか!

「現代国語例解辞典」にも、1行だけ載っていました。

*「いかれぽんち」=軽薄で頭の悪い男をいう俗語。

あれ?「大辞林」も「現代国語例解辞典」も、「三国」の「まぬけなお人よしの男」よりもだいぶ嫌われた感じの表現ですね。まあ大体「罵倒語」ですから、こちらの語釈のほうが「いかれぽんち」の実像に近いのかな?

「三省堂現代新国語辞典」にも載っていました。

*「いかれぽんち」=(俗)しっかりした考えのない軽はずみな(若い)男。(かなりくだけた言い方)

そして「広辞苑」には、

*「いかれぽんち」=(ポンチはボンチ(坊ち)の転)いかれた男。ふぬけな男。

「精選版日本国語大辞典」は、

*「いかれぽんち」=(「いかれ」はしてやられること、間抜けの意。「ぽんち」は「ぼんち(坊ちゃん)」の変化した語)かるがるしくやすっぽい男。調子のくるった男。(例)自由学校(1950)<獅子文六>ふるさとの唄「対手が隆文さんのような、イカレ・ポンチじゃないし、教養はあるし」

と出ていました。

うーん、これだけ載っているということは「死語」ではないのかな。

他にも載っているか調べましたが、「明鏡国語辞典」「岩波国語辞典」「新明解国語辞典」「新選国語辞典」には、載っていませんでした。

ということは「10種中6種」に載っていたと。掲載率60%です。これは、

「死語ではないけれど、使われなくなってきている言葉」

ということですかね。よく、映画の吹き替えに使ったなあ。

 

(2025、12、1)