10179「1、4km離れた離島」

2025 . 11 . 21

10179

 

 

大分・佐賀関の大火事で、飛び火した「蔦島」のことを指して、

「1、4km離れた『離島』に飛び火」

というテロップが発注されてきました。それを見て、

「ちょっと待てよ」

と。

「陸地から離れていない『島』があるのか?」

と思ったのですね。「重複表現」ですよね。これは、「離島」ではなく、

「単に『島』」

でよいではないか、と思って、

「1、4km離れた『島』に飛び火」

にしました。もしくは、

「陸から1、4kmの所にある『離島』に飛び火」

かな。でも、そもそも、

「何km離れたら『離島』と言う」

のでしょうか?私のイメージは、

「八丈島」

みたいに「かなり遠い」ことが条件だと思います。

「船で3~4時間、あるいは5~6時間」

は離れていないと「離島」とは言わないのではないか。「1、4km」なんて、すぐ目の前に見えているではないですか!

先日、沖縄・北海道担当の大臣が失言した場所、北海道の「納沙布岬」に私も行ったことがありますが、あそこからはすぐ目と鼻の先に、

「歯舞群島の貝殻島」

が見えました。たしか「4、9km」じゃなかったかな・・・調べたら、

「3、7km」

でした!あれは「離島」じゃないですよね。さらに、少しかすんではいましたが、知床半島方面に、大きな、

「国後島」

の影も見えました。これは「37km」。あれも「離島」とは言いませんよね。

また、兵庫県の「淡路島」は、神戸や大阪から「見える」し「橋でつながっています」から「島」ではあっても「離島」とは言いません。大きいし。

「精選版日本国語大辞典」で「離島」を引いたら、

*「離島」=陸から遠く離れた島。離れ島。

とシンプルに書かれていました。そうです、「陸から遠く離れた島」。そういうことですね。「陸から見えた」ら、それは「『離島』とは言えない」のではないでしょうか。

歌舞伎の「俊寛」に出て来る、俊寛が流された(流刑・島流し)、

「鬼界ヶ島(きかいがしま)」

は、「離島」だよなあ。ネット検索したら、「鬼界ヶ島」のモデルは、現在の鹿児島県三島村に属する、

「硫黄島(いおうじま)」

が有力だそうです。太平洋戦争の激戦地で、クリント・イーストウッド監督の映画にもなった「硫黄島(いおうじま)からの手紙」の「硫黄島(いおうとう)」とは別です。九州の佐多岬からで「150km」は離れているようです。

また、奄美の「喜界島」や、長崎県の「伊王島」だとする説もあるそうですが、いずれにせよ「1、4km」は絶対に「離島」ではありませんよね!

 

(2025、11、21)