10121「男勝り」

2025 . 10 . 17

10121

 

 

(書き始めたまま置いておいて、1年8か月経ってしまいましたが。)

2024年2月22日の「ミヤネ屋」で、女優の山本陽子さん(81)の訃報をお伝えしました。その際にナレーション原稿で、

「趣味は車の運転や麻雀(マージャン)と、男勝り」

と出て来ました。この、

「男勝り」

という表現は、「昭和」の時代はОKでも、「令和」の今は「不適切にも、ほどがある」とまでは言えないけれど、「ジェンダー的」に「放送では使いにくい表現」でしたね。

「男は強いもの」

という潜在的な意識が見える表現は、ほかに、

「男気あふれる」

などの言葉もありますね。また「男勝り」には、

「女勝り」

という「対になる語」もありませんしね。バランスが悪い。

『読売テレビ放送用語ガイドライン』でも、

「男性の優位を前提とした言葉。旧来の女性のイメージからはずれるものを差別するニュアンスがある。」

と書かれています(私が書いたのですが)。

高知県では、向こう見ずで勝気な『男まさり』の女性を、

「はちきん」

と呼ぶようですが。

新聞用語懇談会でも各社の意見を聞いたところ、

「誰かの『発言』を紹介する際に『カギカッコ』の中で使われることはあるが、原則『男勝り』という表現は使わない」

ということでした。

また、今回の文章では、「男勝り」という言葉自体よりも、

「『車の運転やマージャンをすること』を『男勝り』と表現したこと」

が、

「ステレオタイプな視点であり、問題」

とも言えますね。しかし、依然として世の中に、

「『男勝り』という表現のどこが悪いの?」

と思っている人がたくさんいるのも、事実だと思います。

2025年10月16日発売の「週刊文春」10月23日号の「阿川佐和子のこの人に会いたい(1558回)」の対談に登場した女優の、

「長澤まさみ」

さんは、10月17日(きょう)封切りの「おーい、応為(おうい)」という映画で、

「葛飾北斎の娘・応為」

を演じているのですが、その話の中で、

「応為の『男勝りな性格』に合わせて、衣装もすごくこだわっていたんです。」

と話しています。一般的な会話の中には、まだまだ出て来る表現なんですよね。

気を配りながら、取り扱いたいと思います。

 

(2025、10、17)