(書き始めたまま置いておいて、1年8か月経ってしまいましたが。)
2024年2月22日の「ミヤネ屋」で、女優の山本陽子さん(81)の訃報をお伝えしました。その際にナレーション原稿で、
「趣味は車の運転や麻雀(マージャン)と、男勝り」
と出て来ました。この、
「男勝り」
という表現は、「昭和」の時代はОKでも、「令和」の今は「不適切にも、ほどがある」とまでは言えないけれど、「ジェンダー的」に「放送では使いにくい表現」でしたね。
「男は強いもの」
という潜在的な意識が見える表現は、ほかに、
「男気あふれる」
などの言葉もありますね。また「男勝り」には、
「女勝り」
という「対になる語」もありませんしね。バランスが悪い。
『読売テレビ放送用語ガイドライン』でも、
「男性の優位を前提とした言葉。旧来の女性のイメージからはずれるものを差別するニュアンスがある。」
と書かれています(私が書いたのですが)。
高知県では、向こう見ずで勝気な『男まさり』の女性を、
「はちきん」
と呼ぶようですが。
新聞用語懇談会でも各社の意見を聞いたところ、
「誰かの『発言』を紹介する際に『カギカッコ』の中で使われることはあるが、原則『男勝り』という表現は使わない」
ということでした。
また、今回の文章では、「男勝り」という言葉自体よりも、
「『車の運転やマージャンをすること』を『男勝り』と表現したこと」
が、
「ステレオタイプな視点であり、問題」
とも言えますね。しかし、依然として世の中に、
「『男勝り』という表現のどこが悪いの?」
と思っている人がたくさんいるのも、事実だと思います。
2025年10月16日発売の「週刊文春」10月23日号の「阿川佐和子のこの人に会いたい(1558回)」の対談に登場した女優の、
「長澤まさみ」
さんは、10月17日(きょう)封切りの「おーい、応為(おうい)」という映画で、
「葛飾北斎の娘・応為」
を演じているのですが、その話の中で、
「応為の『男勝りな性格』に合わせて、衣装もすごくこだわっていたんです。」
と話しています。一般的な会話の中には、まだまだ出て来る表現なんですよね。
気を配りながら、取り扱いたいと思います。


