『巣鴨プリズンから帰ってきた男たち~A級戦犯たちの戦後史』(中川右介、清談社:2025、7、18)

2025 . 9 . 26

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今年、物凄く精力的に、次々と本を出している中川さん。「戦後80年」の今年の「8月15日」を前に出されたこの本は、戦後日本を作った表と裏の人脈が、「巣鴨プリズン」から帰って来た「A級戦犯」たちの人脈によってその基礎が築かれたのだという話を書いている。「巣鴨大学」。(片や、「吉田学校」。)詳細なデータに基づく本書は、まるで「ジグソーパズルのピース」を一つずつ組み合わせることで「全体の絵が現れる」ような感じさえある。

「A級戦犯」で戦後日本の頂点に立った人と言えば、まず、

「岸信介」

を思い浮かべるが、「60年安保」で引退した彼の全盛期を、私の在世代は「同時代的」には知らない。「昭和の妖怪」と呼ばれた時代しか知らない。その孫が、また、めちゃくちゃをやったことは知っているが。

そして吉田茂・鳩山一郎を巡る戦後政治、敵と味方、その間を縫う人と支える人などの人物模様がよくわかった。

380ページほどの単行本だが、読むのには1か月ほど、かかってしまった。

 

 

(2025、9、12読了)