10073「肉まんは『ほかほか』か?『アツアツ』か?」

2025 . 9 . 1

10073

 

 

8月25日の日本テレビ「月曜から夜ふかし」で、

「湯気の出ている肉まんのイラスト」

を見て、これを「擬態語」で何と言うか?とアンケートを取っていました。私は画面の前で、

「ほかほか」

と答えました。まず出て来た「おとうさん」(70歳ぐらい)も、

「ほかほか」

と答えていましたが、次に出て来た若い女の子2人は、

「アツアツ」

と答えていました。そして番組では、

「年配者」=「ほかほか」

「若い人」=「アツアツ」

と答える傾向があると伝えていました。

え?そうなの?全然、気付かなかった!

これについて考えてみました。その結果、

*「ほかほか」=直接「肉まん」には触れておらず、それの醸し出す「温かさ」、湯気などの「空気」を表わしている。ちなみに、同じ温かさでも「焼き芋」「焼き栗」など「水分が少ない場合」は「ほくほく」と表す。

*「アツアツ」=直接、手や口・舌などが「肉まん」そのものに接していて感じた「熱さ」を表わしている。「スープ」や「コーヒー」などの液体も「アツアツ」を使う。

そして実際の「温度」は、「アツアツ」のほうが「ほかほか」よりも「熱い」でしょう。

「ほかほか」は、

「熱いけれども、食べるのに適温」

なのに対して、「アツアツ」は、

「熱すぎて、食べるためには、少し冷まさなければならない」

こういった違いがあるのではないでしょうか?

そうすると、「ほかほか」と「アツアツ」は、年配者と若者の差ということではなくて、

「湯気の出ている食べ物の温度や、食べ物に対する理解・なじみの違い」

なのではないでしょうかね?

「三省堂国語辞典」では、

*「あつあつ(熱々・アツアツ)」=(1)非常に熱いようす。(例)「熱々のスープ」「熱々に温めたコーヒー」(2)<新婚の夫婦や恋人どうしが>熱愛しあっているようす。

そうか「アツアツ」は「カップル」にも使えますね!

「ほかほかの夫婦」

とは言わない。

「新婚ほやほやの夫婦」

は言うな。「ほやほや」も出て来た。

*「ほかほか」=あたたかみの感じられるようす。ほっかほか。(例)「ほかほかの弁当」「からだがほかほかになる」

あ、「からだがほかほかになる」とは言うけど、

「からだがアツアツになる」

とは言わないな!「アツアツ」は「ハート」には使うな。それと「ほかほか」に「半濁音」を付けた、

「ぽかぽか」

も「あったかいようす」で「好ましい」「適度な温かさ」を表わしていますね。「ほかほか」よりは、ゆるくて範囲が広い感じ。

「お日様がぽかぽかする」

とは言いますが、

「お日様がほかほかする」

とは言わない。

「ぽかぽかした陽気」

とは言うが、

「ほかほかした陽気」

とは言わない。

「ぽかぽかしたお日様に干して、ほかほかのお布団」

は「あり」ですねえ。好ましい。

*「ほくほく」=(1)満足して喜ぶようす。(例)売れ行きがよくてほくほく顔だ」「ほくほくしてやって来た」(2)(煮たカボチャ・ジャガイモなどが)水け・ねばりけがなく、口当たりがいいようす。ぽくぽく。

これは(2)の方ですね。「温度について」は書いていないが「煮た」と書いてあるので「温かいのが前提」

でしょう。でも、

「煮た後に冷ました」

ら「ほくほく」とは言わないから、やはり「温度」も重要な要素だと思いますが。

 

発音、「母音」の口の開きから言うと「あ」の方が広いので、音も大きく「攻撃的」な感じで、「ほ」=「お」は、少しこもった感じの音になり、その音のイメージが「アツアツ」「ほかほか」にも影響しているのではないでしょうか?

概ね「三国」も、私が考えていた通りでした。

 

(2025、9、1)