7月31日の様の番組宣伝で「ミヤネ屋」に生中継で出演された、ホラン千秋さん。
コメントで、
「スタッフさんが大困り」
と言った際の「大困り」を、
「おおごまり」
と連濁していました。「おおつごもり」的な響きです。
「スタッフさん」
も気になるところではありますが、それはさておき、「困る」という「動詞の連用形」を「名詞化」した「困り」に「大(おお)」を付けた「大困り」を、
「大ごまり」
と「濁る」のが気になりました。
「大(おお)」+「動詞の連用形の名詞化」したもので思いつくのは、
「大忙し」「大喜び」「大はしゃぎ」「大あわて」「大商い」
などがありますが、「大はしゃぎ」は、
「大ばしゃぎ」
とは濁りませんよね。
「大」のあとに「カ行」「サ行」「タ行」「ハ行」が来るものを「カ行」から見て行くと、
「大掛かり」「大括り」「大崩れ」「大食らい」・・・
などがあり、
「大掛(が)かり」「大括(ぐく)り」「大食(ぐ)らい」
は「濁ります」が、
「大崩(くず)れ」
は「濁らない」です。そうやって、辞書(「精選版日本国語大辞典」)を順に引いていったら、なんと、
「大ごまり」
が出てきたではないですか!「濁る」のか!意味は、
「ひどく困ること。また、そのさま」
用例は、滑稽本『浮世風呂・三』(1809-13)で、
「去年の夏は大(オホ)ごまりさ」
とありました。しかし、「デジタル大辞泉」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」「岩波国語辞典」「現代国語例解辞典」「新選国語辞典」「三省堂現代新国語辞典」「三省堂国語辞典」「広辞苑」「大辞林」には、
「大ごまり」
は載っていませんでした。つまり、
「『大ごまり』が載っていたのは『精選版日本国語大辞典』だけ」
でした。その言葉を、「ホラン千秋さん」が使っていると。なんかすごいなあ!
(2025、8、20)


