10062「かき氷がみずみずしい?」

2025 . 8 . 27

10062

 

 

8月27日放送の「ミヤネ屋」の中で、猛暑日が続く東京で、

「かき氷屋さん」

を取材していました。そしてインタビューした女性のお客さんが、こう答えました。

「みずみずしくて おいしいです」

いや、「かき氷」は原料が「水」で、それを凍らしたんですけど・・・それを、

「みずみずしい」

って言うのは、とっても違和感がありました。

「みずみずしい」は、どういう時に使うのか?「精選版日本国語大辞典」を引くと、

*「みずみずしい(瑞瑞・水水)」=(「みずみず」の形容詞化か)光沢があって、若々しいい。生気があって美しい。新鮮である。

で、夏目漱石の「硝子戸の中」(1915)からの用例は、

「母の水々(ミヅミヅ)しい姿を覚えてゐる特権が」

とありました。以下、「みずみずしい」の用例は、

「広辞苑」    =「若葉」「乙女」「感性」

「大辞林」    =「若葉」「みずみずしい感覚に満ちた詩」

「デジタル大辞泉」=「野菜」「肌」「感性」

「明鏡国語辞典」 =「肌(野菜・感覚)」

「三省堂国語辞典」=「ナシ」

「新明解国語辞典」=「みずみずしい感覚があふれる絵」

「岩波国語辞典」 =「果実」

「新選国語辞典」 =「やなぎ」

「現代国語例解辞典」  =「果実」「肌」「感覚」

「三省堂現代新国語辞典」=「くだもの」

という感じで、結論を言うと、

「『水』そのもの、あるいは『氷』に使う表現ではない」

ですね、でも、そうだとすれば、意外と、

「みずみずしい表現」

と言えるのかもしれませんが。もしかしたら最近「焼き肉」「すき焼き」「ステーキ」といった肉料理のことを、

「肉々しい」

と言うことがあるのと、似ているのかなあ?

 

(2025、8、27)