アニメ映画「この世界の片隅に」の終戦80年記念のリバイバル上映を見に行ったら、
映画の中で、
「隣保の井戸」「隣保館」
というように、
「隣保」
が2回出て来ました。
「りんぽ」
と読みます。近頃とんと耳にしない言葉です。これは「死語」でしょうか?
この言葉で私が思い出すのは、中学生の時(もう今から50年前)にボランティアで行ったことのある、
「隣保館」
です。その時初めて「りんぽ」という言葉に触れました。それまでは、聞いたたことがなかったのです。それはキリスト教系の施設で、身寄りのない子どもたちが集まっている場所でした。そこに行って子どもと一緒に遊ぶだけというボランティアでしたが、貴重な体験でした。
今回「この世界の片隅に」を見ていて「隣保」という言葉が「井戸」にも使われているのを知って、
「戦前は、普通の言葉だったのだな」
と改めて思いました。今ではまず、耳にしない言葉ではないでしょうか?辞書には、たぶん、載っているとは思いますが。
「隣組」
というのも今は言いませんが。「隣保」は「自治会」「町内会」的な、そのもう少し小さな集団ですかね。
「三省堂国語辞典」を引くと、
*「りんぽ(隣保)」
(1)となり近所の人々。(例)隣保班(=となりぐみ)
(2)その地域の困っている人を助けること。(例)隣保事業。隣保館。
と、ちゃんと載っていました。
(2025、8、22)


