10055「大打撃」

2025 . 8 . 20

10055

 

 

7月28日の「日経新聞・夕刊」の見出しに、こういうものを見つけました。

「『大打撃回避』独首相が歓迎」

この、「大打撃」の「大」の読みは「令和ことば事情10054大(おお)ごまり」とは異なって、

「ダイ」

ですね。これを見て思ったのは、

「『中打撃』や『小打撃』は、あるのか?」

ということです。「生ビール」には、

「大(だい)ジョッキ・中(ちゅう)ジョッキ・小(しょう)ジョッキ」

があるし、瓶ビールにも、

「大瓶・中瓶・小瓶」

があるのに、「大打撃」は「大」だけで「中・小」はありません。

あ、「大瓶・中瓶・小瓶」の「大・中・小」の読み方は、

(関東)おおビン・ちゅうビン・こビン

(関西)だいビン・ちゅうビン・しょうビン

ですね!話がそれましたが、つまり「打撃」は「大打撃」だけなのですね。

「野球」で「打撃部門」というと、

「攻撃」

ですが、今回のような「経営用語」での「大打撃」は、

「守備」

というか「被害・損害」。つまり「マイナスを受ける側」で、

「大打撃を受ける」

ですね(攻撃側からは「大打撃を与える」)。

「戦争用語」では

「打撃群」

というのがありますが、これは「攻撃」する側です。英語の、

「attack」

なのかな?と思って、和英辞典を引いたら、

「strike group」

でした。「攻撃」は「ストライク」か!じゃあ「野球」のカウントの「ストライク」は、

「打て!」「打つべきコースのボール」

という意味なんですね!「群」は「group(グループ)」なのか!

ちなみに「野球」の「打撃」は、

「batting」

でした。あ、たしかに。

つまり日本語では「打撃」と表現するものも、英語では種類によって、

「strike」だったり「batting」だったりするのですね。

 

(2025、8、20)