7月16日の「ミヤネ屋」でディレクターから質問がありました。
「『苦汁』は『飲む』でしょうか?それとも『なめる』でしょうか?」
「精選版日本国語大辞典」を引いてみたら、
「苦汁をなめる」
と載っていたので、
「なめる」
で放送しました。しかし、
「これは絶対に辞書に載っている言葉・表現なのだから、俺に辞書を引かせないで、自分で引けばいいのに…」
とちょっと思ったのでした。
そして「ミヤネ屋」放送後に、他の辞書を引いてみました。
まず、「明鏡国語辞典」。すると、
「苦汁を嘗(な)める」
の見出しの語釈に、
「苦汁を飲む」「苦汁を喫する」「苦杯をなめる」
とあるではないですか!他にも、
・「広辞苑」=「苦汁を嘗める」
・「大辞林」=「苦汁を嘗める」
・「新選国語辞典」=「苦汁を嘗める」
・「新明解国語辞典」=「苦汁を嘗める(飲まされる)」
・「三省堂国語辞典」=「苦汁をなめる/飲む」
・「岩波国語辞典」 =「苦汁をなめる」
・「三省堂現代新国語辞典」=「苦汁をなめる」
・「現代国語例解国語辞典」=「苦汁を嘗める」
でした。やはりほとんどの辞書は「苦汁を嘗める」だけですが、
「新明解国語辞典」が「苦汁を飲まされる」、「三省堂国語辞典」は「苦汁を飲む」、「明鏡国語辞典」も「苦汁を飲む」「苦汁を喫する」と載せていました。「新しい傾向」と言えるのかもしれませんが、
「答えは1つではない」
ということですね。それはつまり、
「完全に定着した成句・言い方ではない」
ということでもあります。
話は飛びますが、「青汁」は「飲む」ですが、中には「なめる」だけの人もいます。「苦い」のは嫌ですものね。あ、そんなことを言っているのは、
「まだ、子ども」
なのかな?六十、過ぎてますが…。
(2025、7、25)


