意外と言うと失礼に当たるが、掛布さんは実に「理論的」に野球を分析している。例えば、ポイントは「四球」。四球が増えれば打率は上がる。ヒットと四球で200出塁。ボール球を打たなければ、打撃フォームも崩れない、などと指摘。あ、佐藤輝や大山に関してです。
自らが経験した「1985年の優勝」当時の話、その分析や、先輩・後輩の話、2軍監督の時の話などから、現在の阪神(と言っても2年前だが)と「これからの阪神」について書かれたもの。
江川とのトレードで阪神に来た小林繁投手に言われた言葉、
「阪神は、歴史はあるが伝統はない。巨人にはある」
が、すごく印象に残ったようだ。
なるほどね。その「伝統」を気付くためには、大きな目標向かっていっぽい一歩一歩、積み上げていかねばならない。
将棋の升田名人から聞いた話で、
「野球は3割打ったら上等とされるが、将棋は7割勝たないと一流とは言えない」
「野球のバッティングは3割打てれば成功。残りの7割の失敗の中には、良い失敗と悪い失敗がある。その失敗の中に必ずヒントがある」
「打撃は3割打てば成功だが、守備はそうはいかない。10割を目指さなくてはならない。だから守備は重要だ」
「150キロの速球を100キロに感じるようにする練習を積んだ」
かの川上哲治氏が、
「調子の良いときは、ボールが止まって見えた」
という有名な話と同じですね。それは今でいう、
「ゾーンに入った状態」
なのでしょうね。それを作り出せる練習かあ。
いろいろ勉強になりました!
(2025、7、26読了)


