10031「命を『賭して』と命を『懸けて』」

2025 . 7 . 23

10031

 

 

「命をかけて」「命がけの」

という場合の「かけて」「がけ」は、漢字では、

「命を懸けて」「命懸けの」

と書くのが「正しい」とされていますが、

「命を賭けて」「命賭けの」

だと思っている人も多いのではないでしょうか?

でも、「けんめいに」は、

「懸命に」

と書きますよね。これがすなわち「いのちをかけて」「いのちがけ」、

「命懸け」

ですね。そう思うと納得できる一方で、

「命を賭(と)して」

という言葉があります。この「賭(と)す」は「賭(か)ける」ですから、

「命を賭(か)けて」

ということになる・・・と思えるから、話がややこしくなります。

「命を賭(と)して」と「命を懸(か)けて」の違いは、何でしょうか?

考えてみました。二つの漢字に関して検索してみたら、違いについて、

*「懸」=(託す・願う・勝者に与える)

命懸け、賞金・商品を懸ける(懸賞)、人生を懸ける、望みを懸ける

*「賭」=(ばくち)

賭け事、賭けに勝つ、危険な賭け、金品を賭ける、ばくちの賭け金

と出て来ました。

「懸ける」ほうは、

「何かを提供するほう」

の感じがしますね。「懸賞」って、

「賞を出すほう」

ですよね。それに対して「賭ける」は、まさに「ばくち」。

「勝負に勝った場合に商品・賞金を得るプレーヤー側」

という感じですね。

「命懸け」は、

「命を提供して何かを行うことで、何かを救う・得る」

ですね。しかし、この行為によって、

「必ずしも、命を失うことはない」

ですね。

一方「命賭け」=「命を賭する」は、

「何かの勝負(ばくち)のプレーヤーとして、負けた場合に(担保として)命を差し出す」

という感じですかね。だから、

「もし、勝負に負けた場合は、命を失う=死ぬ」=「必死」になりますね。

こういう「違い」があるのではないでしょうか?

いかがでしょう?「命懸け」で考えてみました・・・いや、それほどではないですが…。

(2025、7、23)