「九十九」
と書いて、
「キュージューキュー」「クジューク」
ではなく、
「九十九折(つづらおり)」
「九十九髪(つくもがみ)」
というように、
「つづら」「つくも」
と読むのは、なぜなのかが、急に気になりました。
もちろん、
「九十九里浜」
は、「つくも」とも「つづら」とも読まずに、そのまま、
「クジュークリ」
ですけどね。
あ、そう言えば、
「九十九 一(つくもはじめ)」
さんという芸人さんもいましたね。あれで、「九十九」と書いて「つくも」と読むことがあることを知ったのですが。
「精選版日本国語辞典」で「九十九折」「九十九髪」を引いてみましたが、「九十九髪」のほうにおもしろいことが書かれていました。
*「つくもがみ(九十九髪)=白髪のようすが植物の「つくも」に似ているところからという。「九十九」という表記は「百」の字から一画とりされば「白」の字となり、百から一をとると九十九になることによる)老女の白髪のこと。また、その人。つくも。」
つまり「白髪」の「白」の文字が「百」引く「一」だから「九十九」で、それに「つくも」という似た植物の名前を当てたと。じゃあ「漢字から読みを導き出す」なんて無理ですよね!でもこれと似ているのは、
「白寿」
ですね。これは、
「九十九歳の祝い」
ですが、「百」から「一」引いて「『白』寿」ですからね。なんか、「なぞなぞ」か「クイズ」みたい。
そして、植物の「つくも」というのは、
「太藺(ふとい)の古名」
だそうです。「太藺」も引いてみると、
*「ふとい(太藺)=カヤツリグサ科の多年草。各地の池沼に生える。高さ1~2メートル、茎は円柱形で太い。葉は退化して鞘状ないし鱗片状で褐色。夏から秋にかけ、茎頂に楕円形で黄褐色の小穂を多数つける。茎で花筵(むしろ)などを織る、おおい。とうい。まるすげ。」
とありました。
うーん、なんとなくイメージできたかな。でも「つくも」はわかったとしても、
「つづら」
の読み方については、まだ謎のままです。「つづら」で思い出すのは、
「こぶ取りじいさん」
ですけどねえ。大きな「つづら」と小さな「つづら」。
あ、そうか!分かった!
「精選版日本国語大辞典』を引いたら「つづら」は、漢字で書くと、
「葛」「黒葛」「葛籠」
で、いずれも「葛」が含まれている。つまり、
「ツヅラフジ」
などの、
「丈夫な植物の蔓(つる)を編んで作った籠」
のことを言うんだ!そもそもの「つづら」は、
「『つくも』と同じような植物」
を指したんだ!だから「白髪」のように見えるところが共通なんだ!それで、
「九十九」(=白)
の字を当てたんだ!違うかな?多分そうだよね!
どうでしょうか?


