10013「九十九の読み方」

2025 . 7 . 15

10013

 

 

「九十九」

と書いて、

「キュージューキュー」「クジューク」

ではなく、

「九十九折(つづらおり)」

「九十九髪(つくもがみ)」

というように、

「つづら」「つくも」

と読むのは、なぜなのかが、急に気になりました。

もちろん、

「九十九里浜」

は、「つくも」とも「つづら」とも読まずに、そのまま、

「クジュークリ」

ですけどね。

あ、そう言えば、

「九十九 一(つくもはじめ)」

さんという芸人さんもいましたね。あれで、「九十九」と書いて「つくも」と読むことがあることを知ったのですが。

「精選版日本国語辞典」で「九十九折」「九十九髪」を引いてみましたが、「九十九髪」のほうにおもしろいことが書かれていました。

*「つくもがみ(九十九髪)=白髪のようすが植物の「つくも」に似ているところからという。「九十九」という表記は「百」の字から一画とりされば「白」の字となり、百から一をとると九十九になることによる)老女の白髪のこと。また、その人。つくも。」

つまり「白髪」の「白」の文字が「百」引く「一」だから「九十九」で、それに「つくも」という似た植物の名前を当てたと。じゃあ「漢字から読みを導き出す」なんて無理ですよね!でもこれと似ているのは、

「白寿」

ですね。これは、

「九十九歳の祝い」

ですが、「百」から「一」引いて「『白』寿」ですからね。なんか、「なぞなぞ」か「クイズ」みたい。

そして、植物の「つくも」というのは、

「太藺(ふとい)の古名」

だそうです。「太藺」も引いてみると、

*「ふとい(太藺)=カヤツリグサ科の多年草。各地の池沼に生える。高さ1~2メートル、茎は円柱形で太い。葉は退化して鞘状ないし鱗片状で褐色。夏から秋にかけ、茎頂に楕円形で黄褐色の小穂を多数つける。茎で花筵(むしろ)などを織る、おおい。とうい。まるすげ。」

とありました。

うーん、なんとなくイメージできたかな。でも「つくも」はわかったとしても、

「つづら」

の読み方については、まだ謎のままです。「つづら」で思い出すのは、

「こぶ取りじいさん」

ですけどねえ。大きな「つづら」と小さな「つづら」。

あ、そうか!分かった!

「精選版日本国語大辞典』を引いたら「つづら」は、漢字で書くと、

「葛」「黒葛」「葛籠」

で、いずれも「葛」が含まれている。つまり、

「ツヅラフジ」

などの、

「丈夫な植物の蔓(つる)を編んで作った籠」

のことを言うんだ!そもそもの「つづら」は、

「『つくも』と同じような植物」

を指したんだ!だから「白髪」のように見えるところが共通なんだ!それで、

「九十九」(=白)

の字を当てたんだ!違うかな?多分そうだよね!

どうでしょうか?

 

(2025、7、15)