『味なニッポン戦後史』(澁川祐子、集英社インターナショナル新書:2024、4、10)

2025 . 7 . 18

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味覚を「7つ」に分けてそれぞれに分析している本。従来「味覚」は、

生命維持と深く結びつく「塩味」(「えんみ」とルビが振ってある)

生理的にこのましい味の「甘味」

味覚の脇役と追われがちだが、おいしさをチューニングする「酸味」と「苦味」

それに1908年(明治41年)に日本で新しく発見された、

「うま味」

も「基本五味」について述べ、さらに「味覚」には分類されないが、味わいに興を添える「辛味(からみ)」についても記す。

それに著者は新たに、目下「第六の味覚」として最有力候補に挙がっているという、

「脂肪味(しぼうみ)」

というものを取り上げている。たしかに、

「あぶらはおいしい」=「カロリーが高い」=「太る」

ですよねえ。

この合計「7つの味」の中で言うと「酸味」が、やや最近は人気がないかなぁ…と思いきや、少し前には、

「瀬戸内レモン味」

とかもブームになったし(今も人気!)、順番にそれぞれが「スタア」として取り上げられている感じ。味覚の流行というのは循環するのかなあという気がした。

内容は、それぞれの味について詳しく、それにまつわる事象なども取り入れて説明していて、大変勉強になりました!面白い本だよ!

 

 

(2025、6、16読了)