10024「参戦・魚雷バット」

2025 . 7 . 22

10024

 

 

2025年4月23日の読売テレビの朝の番組を見ていたら、

「初日から参戦!佐藤アナ、万博どうでっか?」

というスタジオからの声掛けがありました。この、

「参戦」

という表現はいかがなものか?と少し気になったのでした。

別に「戦い」じゃないですからね、

「万博に行くだけ」

ですからね。

この関連で言うと、以前書きましたが、

「ゴールデンウイーク後半戦」

というケースの「後半戦」もおかしいと。「後半」でいいじゃないかと。

(令和ことば事情7150「ゴールデンウイーク後半戦」令和ことば事情9390「ゴールデンウイーク後半戦2」)

そういった、

「戦争用語」

は、「スポーツ」の場面では、よく使われます。

先日の用語懇談会でも少し議題に上がったものに、

「魚雷バット」

がありました。真ん中が膨らんでいて先が少し細くなっている「魚雷型」のバットのことです。今年の春先に米・メジャーリーグで使われて、日本でもオープン戦の頃に話題になりました。しかしその後は、あまり出て来ませんね。

しかし、「サンデー毎日」(7月27日号)のコラム「校閲至極」(第323回)で、毎日新聞校閲部の水上由布記者が、

「『魚雷』のない世界が来るなら」

というタイトルで、

「魚雷バット」

のネーミングについて書いていました。

今年は「戦後80年」の年だから考えなくてはいけませんし、

「人間魚雷『回天』」

を想起する人もいると考えれば、「武器の名前」を軽々しく使わない方がよいネーミングでしょう。でも、実は私は、それほど気にならなかったというのが、正直なところです。

幸い、あまり話題に上らなくなったのですが、もしまた出てくることがあったら、気を付けるようにしたいと思います。

 

(2025、7、22)