「火の用心 マッチ一本 火事の元」
というおなじみの「火の用心」の掛け声ですが、
「マッチ一本」
というフレーズは、今もまだ使われているのでしょうか?
だって、もう最近は「マッチ」を使うことも減ったでしょう?
もし、このフレーズが使われていないとしたら、代わりに何と言っているのか?調べてみました。ネット検索してみたら、
「2014年 北海道・釧路」「2021年 佐賀県」
で、「火の用心 マッチ一本 火事の元」と言っている映像が見つかりました。まだ使われている所はありそうです。しかし、逆に、
「東京・日本橋室町地区」
では、昔から「マッチ一本火事の元」とは「言わない」そうです。
そもそも「火の用心 マッチ一本 火事の元」は、
「1953年(昭和28年)東京消防庁によって選ばれた標語」
なのだそうです。意外と新しいのですね。
そして「火の用心」の「夜回り」は、江戸時代に出された「慶安の御触書」(慶安2年=1649年)「町触れ」に、「役人による見回りを始めた」という記録が残っているそうです。
「火事と喧嘩は江戸の華」
と言われていたのですからね。
享保3年(1718年)になると、武士による「武家火消」と、町人による「町火消」の組織が作られて消火活動が始まったとか。あ、
「め組の人」
のあれですね!「消火活動」と言っても、隣の家に燃え移らないように、家を壊して回ったという。
そして「火の用心」という言葉の由来は、徳川家康の家来だった、
「本多作左衛門(さくざえもん)」
が、家族に書いた手紙、
「一筆啓上 火の用心 おせん泣かすな 馬肥やせ」
だとの説があるとか。あ、それ知ってる、有名ですよね!
ところで、「火の用心 マッチ一本 火事の元」以外には、どんな「標語」があるのでしょうか?
・「戸締まり用心 火の用心」(高見山と、あのボートレースのおじいさんのCМを思い出します)
・「火の用心 さっしゃりましょう」(関西以西の地域で使われた。「中国地方の子守歌」の出だし「ねんねこ しゃっしゃりませ」に、ちなんでいるのだそうです)
・「火の用心 タバコの吸い殻 火事の元」
・「火の用心 ネコは蹴っても コタツは蹴るな」
・「火の用心 秋刀魚焼いても 家焼くな」
などもあるそうです。聞いたことがあるような気がします。
「マッチ」がなくなっても、いろんな言葉で「火の用心」を喚起できそうですね。
あ、ちなみに「京都」では「火の用心」ではなく、
「火廼要慎」
と書かれたお札を貼ってあるのを目にしたことがあります。先日見た、京都の「洛中」を舞台にした映画、
「ぶぶ漬けどうどす」
の中でも、このお札が映っていました。
これは、「火伏(=防火・鎮火)の神さん」として知られる、
「愛宕神社」
のお札に書かれている文言だそうです。そして7月31日の夜から8月1日にかけて(真夜中に)、山の上(標高924m)にある愛宕神社にお参りしてこのお札を授かると、
「千日分の御利益がある」
と言われることから、
「千日詣(せんにちまいり)」
と呼ばれているそうです。しかし、最寄りのバス停から歩いて登って「2時間」はかかるそうですから、大変ですね!


