6月11日の「ミヤネ屋」で香港発の「ラブブ」という人形が大人気だという話題を放送しました。その人気ぶりを、人形を買いに来た人(日本人)にインタビューしたところ、その男性はこう答えていました。
「ちんちくりんで、頭身がかわいい」
ここに出て来た、
「ちんちくりん」
は、「あんまり良い意味ではない」ので、使いたくはないのですが、そうしゃべっているし、ここではそのさまを、
「かわいい」
と「プラス評価」として取り上げて言っていた上、
「(「人間」ではなく)『人形』のことを指して言っていた」
ので、そのまま放送しました。
放送後に「精選版日本国語大辞典」を引くと、
*「ちんちくりん」(1)非常に背の低いこと。また、その人やそのさま。小さいさまや小さい人をあざけっていう語。すんたらず。ちんちく。
とありました。やっぱり、
「あざけって言う語」
なのですね。「蔑称」ですね…放送では使わないよなあ。しかし「2番目の意味」では、
「(2)背丈に比べて着物などが短すぎること。また、そのさま。つんつるてん。」
とあり、なるほど、そういう意味での使い方もあったなと。そうすると絶対に使ってはいけない言葉でもないかな。そしてさらに「補注」として、
『【補注】「咄・一休諸国物語(1672頃)三」に「江州の竹林寺と申す寺あり。此の住持のせいは三尺ばかりありけり、<略>一休立ておどられける。君がこぬとてまくらがしろか、まくらななげそとがはなし、ちくりん、ちくりん、ちんりくりん」とあるが、「ちんりくりん」は「ちんちくりん」の誤りであろう。』
うーん?意味、わかりますか?
「竹林寺」というお寺の名前と、背の小さいお坊さんとが関連がありそうな感じですね。
「三省堂国語辞典」も「俗語」として「精選版日本国語大辞典」の(1)と(2)の意味を載せた後に、
「その状態をおもしろがって言うことば」
とあるので、やはりあんまり良い意味で使われることは少ないのでしょうね。
大阪・梅田の、ことし1月で営業終了した「新阪急ホテル」のすぐ横に、
「珍竹林」
という料理店があったのを思い出しました。


