9929「准高齢者」

2025 . 6 . 9

9929

 

 

2017年1月8日夜10時前のネット「スポーツ報知」の記事。

歌手の「ジュリー」こと沢田研二さん(68)がコンサートで、

「“准高齢者”の沢田研二です」

「年寄りをボランティアでこき使おうという魂胆が見え見えやな」

と言ったそうです。

パチパチパチ!さすが、ジュリー!!

この言葉を聞いた時、私も同じことを思ったのです。

****************************************

と、ここまで書いてほったらかしのまま、なんと、

「8年」

が経ってしまい、当時「68歳」だったジュリーは、

「76歳」

になってしまいました。(6月25日で「77歳」!)もう「准高齢者」ではなく、

「後期高齢者」

ですね…。

その8年前に戻って、そもそも、

「准高齢者」

とは何だったのか?調べてみます。定着しなかったですよね、この言葉は。

そもそも、「准高齢者」が出てきたのは、ジュリーのコンサートの数日前の、

「2017年1月5日」

「日本老年学会・日本老年医学会」が、

「高齢者の定義」

を、現在の「65歳以上」から、

「75歳以上」

とし、

「65歳~74歳」を「准高齢者」

「75歳~89歳」が「高齢者」

「90歳以上」を「超高齢者」

と区分すべきであるとしたのですね。

これは明らかに、名前を変えるのが目的ではなく、それによって「超高齢化」の進行で、

「高齢者(の定義)を10年先送り」

することで、

「74歳まで働いてもらう」

ということでしょう。当然それは、

「年金財源の枯渇の危機」

があって、

「支払い時期を、できるだけ遅らせるため」

でもあります。それに、「当時68歳」だったジュリーは敏感に気付いて、皮肉ったコメントを発したのですね。

「1961年」生まれの私も、会社に入った「1984年」には、

「定年が55歳」

で、

「年金は60歳からもらえる」

と思っていたら、「定年が5年延びる」と共に、

「年金支払い開始時期も5年延び」

ました。それも昨今の状況を見ていると、まるで

「陽炎・蜃気楼」

のように、先へ先へとずれ込んで、「実体」にたどり着けなくなるのではないか?という危惧を感じさせるこの、

「『准高齢者』の定義」

だったのです。

言葉は定着していませんが、「実態」としては、間違いなくそういう方向に、世の中動いていますよね。だって、財政が立ち行かなくなる恐れが大きいのですから。

そういう視点で、この言葉とその周囲を見守っていきます。

 

(2025、6、9)