似ているし、同じような意味の言葉の使い分けは難しいものですが、例えば、
「静かさ」と「静けさ」
の違い・使い分けは、どうでしょうか?考えてみました。
まず「形」ですが、
*「静けさ」=「静けし」という「文語形容詞」の語幹に、名詞を作る接尾語「さ」が付いたもので、「静かな状態」そのものを指す。
*「静かさ」=「静かだ」という「口語形容動詞」の語幹に、名詞を作る接尾語「さ」が付いたもので「『静か』の程度」を表す。
つまり、
「『静かさ』の程度が『マックスに静かな状態』で、『音のない状態』が『静けさ』」
なのではないでしょうか?
これは「語感の辞典」を引いてみるかな・・・あった、あった。
*「しず(静・閑)かさ」=人声も物音もほとんど聞こえない意で、会話にも文章にも使われる和語。(例)「物音ひとつしない静かさ」★「静けさ」に比べ、物の動きが感じられない雰囲気がある。円地文子の『妖』に「その日も坂に出て、人気の絶えた往来の静かさに浸っていた」とある。
*「しず(静・閑)けさ」=「静かさ」に近い意味で、改まった会話や文章に用いられる、やや古風な感じの和語。(例)「森の静けさ」星客観的な感じに「静かさ」より美化した感じが強く、せせらぎの音や虫の声のような耳に心地よい自然の音響は聞こえていてもよいような雰囲気がある。永井龍男の『蚊帳』に「やがて、吐月峰(はいふき)をたたく音がして静けさが戻ってくる」とある。
うーむ、なるほど、
「静かさ」=客観的
「静けさ」=主観的で、好ましい状況に使われる。
そう言われれば、そうですね。
「川のせせらぎ」や「虫の声」は「静かさ」は打ち破っているけど、「静けさ」は引き立てているということですね。「主観的か、客観的か」というのは、そういうことだね。よくわかりました!


