6月4日の「朝日新聞」夕刊で、
「弥生初期にはハイブリッド顔?」
という見出しの記事が載っていました。そのサブタイトルが、
「縄文人と渡来人 早くから混血の可能性」
とありました。
「混血」
って言葉、使っていいのかな?と思いましたが、「リードと記事本文」にも、
「徐々に混血しながら」
「在来人と混血しながら」
「渡来人との混血が進んで」
「在来人と渡来人の“ハイブリッド”がいたことになる」
「渡来系と呼ばれる人々にも縄文の血がかなり交じっている。」
「両社の混血がいち早く進んだ理由は」
などといった表現が出てきました。編集委員の中村俊介さんの署名記事です。
「科学的な記事」
では「混血」という言葉は使っても構わないのかな。
外務省のホームページの世界各国の情報のペ-ジでも、例えば「コロンビア共和国」の「一般情報」の欄に、
「混血75%、ヨーロッパ系20%、アフリカ系4%、先住民1%」
と「混血」を使って書いてありますしね。「白人」と「ラテン系アメリカ先住民」との「混血の人々」のことは、
「メスチーソ」
と言いますが、それの直訳でしょうか。
ただ「放送」では「混血」はまず使いませんね。たとえば、
「父はアメリカ人、母は日本人」
「アメリカ人の父を持ち」
のような表現に言い換えるでしょうね。
「書籍」の世界でも、2006年に出た『ハリー・ポッター』シリーズの本の原題が、
『ハーフ・ブラッド・プリンス(the half- blood prince)』
で、直訳すれば、
「混血の王子」「ハーフの王子」
だったものが、日本語翻訳本のタイトルは、
「謎のプリンス」
になっていました。「下巻」の表紙カバーの折り返し部分には、原作の「the Half-Blood Prince」(混血の王子)を日本語翻訳本のタイトルで「謎のプリンス」としたことに関して、翻訳者の松岡佑子氏が、
「原作者J.K.ローリングの許可を取った」
と書いてありました。
また翻訳本でも、2009年に公開された映画でも、該当する部分は、
「半純血のプリンス」
と訳されていました。


