9919「えつを据える」

2025 . 6 . 4

9919

 

 

 

6月2日の「ミヤネ屋」で、鹿児島県選出の参院議員・野村哲郎元農水相が、地元・鹿児島の鹿屋市での講演で、自民党の農水部会に諮らずに“独断専横”で備蓄米の随意契約を決めた小泉農水相に対して、

「私が言っても聞かないので、森山幹事長に『鉄を据えて』いただいて」

と話していると、ディレクターからフリップの発注が来ました。

「鉄を据える」?

聞いたことのない表現です。「鉄槌(てっつい)」を据える?それもおかしいな。この流れからだと、

「お灸を据える」

が妥当だと思いますが、ディレクターは、

「野村元農水相が、そう言っているんです」

というので、編集室に行って実際にその部分のVTRの音を聞いてみると、

「てつ」

ではなく、

「えつ」

と言っていました。アクセントは、

「テ/ツ\ヲ」

と同じ、

「エ/ツ\ヲ」

でしたから「鉄を」に聞こえなくもありませんが。そこで、

「えつを据える」

を検索してみたら、なんと「えつ」は、

「鹿児島方言」

で、漢字で書くと、

「焼処」

なんでこれで「えつ」と読めるかはわかりませんが、この漢字表記自体は、関西弁の「お灸」の意味の

「やいと」

に漢字を当てたそうです。で、意味は、

「お灸を据える」

でした!やっぱり!それなら話は通りますね。フリップではもう「えつ」の代わりに「お灸」を据えて?

×「鉄を据えていただこうかな」→○「おきゅうを据えていただこうかな」

にしました。

やはり、なんかヘンだなというときは、きっちり調べないといけませんね!

 

(2025、6、3)