9951「『ごまめ』と『みそっかす』と『ごまみそずい』」

2025 . 6 . 20

9951

 

子どもの頃、「かくれんぼう」や「おにごっこ」などの遊びをする際に、明らかに年下の小さい子ども(誰かの弟など。小学校低学年で集まって遊んでいる中に「幼稚園児」など)も、一応「仲間」に入れて遊ぶけど、小さい子はすぐにつかまって「鬼」になってしまうので、

「ノーカウント扱い」

していました。これを大阪では

「ごまめ」

と呼んでいましたが、長らく語源は分かりませんでした。「ごま(粒)」は小さいからかな?などと漠然と思っていました。同様に、

「一人前扱いされないこと」

を指して、

「みそっかす」

と言うことがあるのは、知っていました。しかしつい先日、

「ずいずいずっころばし」

の歌の中に出て来る、

「ごまみそずい」

を聞いて、

「あれ!もしかして…」

と思ったのです。「ごまみそずい」は「ごま」と「みそ」ですね。「ごまめ」の「ごま」、「みそっかす」の「みそ」が含まれているではありませんか。これは何か関係があるのではないか?「ずいずいずっころばし」も「わらべ歌」ですし、子どもと関係ありそう。

「ごま」と「みそ」…なんか、

「しょうゆの原料っぽい感じ」

ですね。「ごま味噌ドレッシング」もあるな。相性がいいですよね。

「みそっかす」は、

「しょうゆ造りの際に出る廃棄物」

かなあ。「三省堂国語辞典・第八版」では、

*「みそっかす」

(1)(=みそをこしたあとあとの、かす)(俗)いちばんつまらないもののたとえ。(2)(子どもの遊びで)一人前になかまに入れてもらえない者。(お)みそ。

そうそう、この(2)の意味ですよ。これも使ったり聞いたことがあった。その「関西版」が、

「ごまめ」

です。あれ?ちょっと待てよ。正月の「おせち料理」にも、

「ごまめ」

があるな。

「田作り」

とも呼ばれる。小魚(カタクチイワシ)を飴煮にして、ゴマを振りかけたもの。

だとすると「ごまめ」の「ごま」は、

「小さい」

という意味か!「め」は、

「強める意味の『め』」

か!そういえば、小さくて力がないことのたとえで、

「ごまめの歯ぎしり」

というのもありますね!

おお、長年の懸案が一気に解決しました!!

コラム連載「1万回」に向けて、弾みがついたぞ!

 

(2025、6、20)

(追記)

「2013年8月13日」に「ごまめ」というタイトルで、こんなことを書きとめていました。

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平成ことば事情3817「ごまめ」

<2010年4月19日に書き上げました。>

鳩山総理が2010年・新年から始めた「ツイッター」、いわゆる「つぶやきブログ」。140字以内だそうですが、これに対して自民党の谷垣総裁が、

「ごまめの歯ぎしりのようなことは嫌いだ」

と言ったという記事が1月8日の朝刊各紙に出ていました。この「ごまめ」ですが、

「ごま」なのでしょうか?それとも「まめ」なのでしょうか?それとも「ごまめ」と呼ばれる小さな魚なのでしょうか?

その「ごまめ」と似たような意味で使われるものに、

「おみそ」

があります。

ともに、子供の遊びの中で、正式な参加資格を与えられないけど、仲間に入れてもらえる。育成選手のようなものか?

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2013年時点で、大体、今と同じような結論に達していたのですね。

でも、なんか「決め手」がなくて、書き上げていなかったということのようです。こういうのが、いっぱいあるんですよ・・・。

(2025、7、3)