
先日、大阪駅のすぐ横の、昔「大阪中央郵便局」があった場所に去年7月にできた、「KITTEビル」に行った際に、特に目的もなくエスカレーターで2階に上がったら、いきなり目の前に出て来た文字は、
「おみあげ」
でした。
「おみやげ」
ではなく。そのフロアは、各都道府県のアンテナショップみたいなのが並んでいます。なるほど「郵便」と「全国都道府県」とは、つながりが深いですものね。
この「おみあげ」は、「兵庫県」のブースというかショップでした。
「おみやげ(お土産)」を「おみあげ」と言うのは、
「兵庫県の方言」
なのでしょうか?大阪でも聞いたことがあるような。
「や」→「あ」
ということは、
「子音の『Y』が脱落している」
ということですね。
「大阪ことば事典」(牧村史陽)で「おみあげ」を引きましたが載っていません。大阪弁では、
「おみや」
という「げ」を省略した形は載っていました。それも聞きますし使いますね。そうするとやはり「おみあげ」は「兵庫県の方言」なのかなあ?
ネット検索してみたところ、「ハテナブログ」に、
「元々は『見上げ(みあげ)』で、それがなまって『みやげ』になった」
という語源説を紹介していました。それ以外にも諸説もあるようですが。
また、関西では今も「みあげ」と言う傾向があり、特に「京都・大阪」では「おみあげ」が有力であると。兵庫県に限ったことではないのか。
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「精選版日本国語大辞典」で「みあげ」を引くと「空(から)見出し」で、
「→みやげ」
となっていましたが、一応載っていました。そして「空見出し」なのに「用例」が載っていて、それは、
「言継卿記―天文三年(1534)正月二日」
のもので、
「従持明院指貫事被申候間遣、針一、耳搔一、南都見上とて到」
として「指貫」「針」「耳かき」が、
「南都見上(みあげ)」
として届いたと載っていました。やはり、
「みやげ」は「見上(みあげ)」
だったのか!
しかし「みやげ」の項目を見ると、用例は、
「山科家礼記―応仁二年(1468)九月一六日」
と「みあげ」の用例よりも「60年以上」古く、
「二松方国々にみやけとて、越後布一段長門守とのへ被進候也」
とあり、これは語源が、
「みやけ(屯倉)」
なのか、濁点が書かれていないだけで、発音は、
「みやげ」
だったのか、わかりません。
古くは「どちらの言い方もある」ということのようです。


