2月13日の「ミヤネ屋」のテロップをチェックしていたら、
「1セント鋳造停止」
というテロップが出て来ました。これに関して、元読売新聞・校閲部で今は読売テレビで「ミヤネ屋」をはじめとした校閲全般を見てくださっているNさんが、
「『鋳造』は、型に溶かした金属を流し込んで作るが、『硬貨』は『型抜き』なので『鋳造』ではなく『製造』だ。それに『1セント』のあとに『硬貨」を入れるべきだ。」
とご指摘いただきました。なるほど、確かに。そこで、
×「1セント鋳造停止」→○「1セント硬貨 製造停止」
と修正しました。
その翌々日の2月15日の読売新聞「編集手帳」で、同じ話題が取り上げられていました。
「米国のトランプ大統領が1セント硬貨の製造中止を命じたと発表した。1セントを鋳造するのに2セントかかるためという。日本の1円硬貨の場合はどうなのだろう。」
これに関してもNさんが、古巣「読売新聞」に対してフェイスブックで、
「アメリカでは今もコインを鋳造しているんでしょうか」
と書いていました。この文章は最初に「製造」と書いているのに、なぜ次は「鋳造」にしたのかなあ?
それより私は、その後の、
「日本の1円硬貨の場合はどうなのだろう。」
が気になりました。そんなの、調べたらすぐわかるのでは?
というか、たしか昔、調べたときは、
「1枚2円ぐらいかかった」
はずです。そして、コスト高から、ここ何年かは極力「一円玉」は製造していないはずです。そのニュース・情報も、検索したら出て来るはずなのに…。
今、検索したら、
「一円玉のコストは、約3円」
そして製造枚数は、「平成2年(1990年)」には、
「年間27億枚」
も製造されていたが、「令和に入ってからの5年間(2019~2023年)」は、毎年、
「46万~84万枚」
と、「全盛期の数千分の1」しか製造されていないと記されていました。
そうか、調べて結果が出ちゃうと、その後のコラムの「まとめ」を書きにくくなるから、あえて調べなかったのかな。だって、着地点が変わっちゃうのだから。
このコラムの結論は、
「一円を笑う者は、一円に泣く」
ということだけど、現状を分析してしまったら、結論は、
「現物の硬貨が、通貨としての機能を終えつつある」
というところに帰結するはずだからですね。
コラムも難しいなあ。


