現在、龍谷大学教授の札埜(ふだの)和男先生の新刊が出ました!
「2025読書日記043」に書いた、
『大阪弁の深み~その独特の魅力を味わう』(PHP新書:2025、5、8)
です!札埜先生とは、大阪大学の故・真田信治先生の教えを受けた「門下生」「同門」ということで面識があります。本屋さんでこの本を見かけてすぐ購入して、速攻読み終えましたが、その後、札埜先生から献本していただきました。ありがとうございます。大阪弁や言葉に興味のある人は必読です!
さて、読んでいて気になった点が、一つ。
「決して負け目を取らない。」(122ページ)
と出て来た、
「負け目」
です。
「勝ち目がない(・ある)」
は言いますが「負け目」とは言わないのではないでしょうか?
「三省堂国語辞典・第八版」にも、「勝ち目」は載っていましたが「負け目」は載っていませんでした。
「決して“○○目”を取らない」
という形でいうと、
「決して“引け目”を取らない」
という言葉はあるので、もしかしたら「負け目」と書いて、
「ひけめ」
と読ませるのかな?「新聞用語集2022年版」では「ひけめ」の表記は、
「引け目」
しか載っていないけどなあ。今度、札埜先生に会ったら、聞いてみよう!
(2025、5、13)



(追記)
いつも連絡をくれる読者の方から、またメールを頂きました。「青空文庫」のスピンアウト「ふりがな文庫」で「負け目」の読み方について調べてくださったそうです。それによると、やはり「負け目」と書いて、
「ひけめ」
という読み方のものが、いくつも見つかったと。(例文として「38作品」も。)
その中には、
谷崎潤一郎の「瘋癲(ふうてん)老人日記」
や、
吉川英治の「宮本武蔵」
のほか、坂口安吾や織田作之助の作品にも出て来るそうです。
ご教示、どうもありがとうござました!
(205、5、14)