9914「配偶者」

2025 . 5 . 26

9914

 

 

「サンデー毎日」の5月18・25日号のコラム「校閲至極」(第315回)のタイトルは、

「自然に『配偶者』 ワイルドだろぉ」

でした。そのタイトルの下には、お笑い芸人の、

「スギちゃん」

の写真があって、

「あ、やられたあ!」

と思いました。というのは、スギちゃんに関して私も書こうと思っていたので、

「先を越された!」

と思ったからです。スギちゃんに関して何を書こうと思っていたかというと、

「配偶者」

という呼び方。5月1日に「ミヤネ屋」でスギちゃんのインタビューを紹介した際に、スギちゃんが「奥さん」のことを、

「配偶者の所まで持って行った」

と、「配偶者」と言っていたの聞いたからです。

「妻」でも「奥さん」でも「家内」でも「ヨメ」でもなく、

「配偶者」

これはなかなか、使っている人は、少ないのではないでしょうか?そういうところの「言葉」に気を配っているんだなあと思って感心したのです。

それについて書こうと思っていたら、この「サンデー毎日」の記事。

「昨夏のこと。倒れていたスズメを救助したエピソードがSNSに流れてきた。『水を配偶者が飲ませてくれて様子を見てたら、復活したぜぇ。』」

この記事の筆者は、「スズメを助けた美談」にではなく、

「妻を『配偶者』と書いていること」

に感動したのだそうです。というのも、「夫」の呼び名として、

「配偶者」

と言うのが、

「自然でとってもカッコイイ」

と思ったのだそうです。

この「「呼び名」の問題は、今年の新聞用語懇談会放送分科会」でも、年間のテーマになっていて、揺れ動く時代の中で、どう調整してゆくのか、みんな悩んでいるところだったので、これは確かに「一つのヒント」になるかもしれませんね。

ちなみに、この記事を書いたのは、

「毎日新聞・校閲部の水上由布記者」

用語懇談会でご一緒している人で、知り合いです。

 

(2025、5、26)