「サンデー毎日」の5月18・25日号のコラム「校閲至極」(第315回)のタイトルは、
「自然に『配偶者』 ワイルドだろぉ」
でした。そのタイトルの下には、お笑い芸人の、
「スギちゃん」
の写真があって、
「あ、やられたあ!」
と思いました。というのは、スギちゃんに関して私も書こうと思っていたので、
「先を越された!」
と思ったからです。スギちゃんに関して何を書こうと思っていたかというと、
「配偶者」
という呼び方。5月1日に「ミヤネ屋」でスギちゃんのインタビューを紹介した際に、スギちゃんが「奥さん」のことを、
「配偶者の所まで持って行った」
と、「配偶者」と言っていたの聞いたからです。
「妻」でも「奥さん」でも「家内」でも「ヨメ」でもなく、
「配偶者」
これはなかなか、使っている人は、少ないのではないでしょうか?そういうところの「言葉」に気を配っているんだなあと思って感心したのです。
それについて書こうと思っていたら、この「サンデー毎日」の記事。
「昨夏のこと。倒れていたスズメを救助したエピソードがSNSに流れてきた。『水を配偶者が飲ませてくれて様子を見てたら、復活したぜぇ。』」
この記事の筆者は、「スズメを助けた美談」にではなく、
「妻を『配偶者』と書いていること」
に感動したのだそうです。というのも、「夫」の呼び名として、
「配偶者」
と言うのが、
「自然でとってもカッコイイ」
と思ったのだそうです。
この「「呼び名」の問題は、今年の新聞用語懇談会放送分科会」でも、年間のテーマになっていて、揺れ動く時代の中で、どう調整してゆくのか、みんな悩んでいるところだったので、これは確かに「一つのヒント」になるかもしれませんね。
ちなみに、この記事を書いたのは、
「毎日新聞・校閲部の水上由布記者」
用語懇談会でご一緒している人で、知り合いです。


