9902「『百日せき』の読み方」

2025 . 5 . 19

9902

 

 

「百日咳」

が流行しているようです。この病、これまでは、

「百日ぜき」

と「濁って」読んでいました。各国語辞典にも、そう載っています。しかし、このところの流行を受けて、よくこの病名が出て来るようになり、「百日咳」と漢字で表記していた厚生労働省のサイトも、「咳」が表外字(常用漢字ではない)からか、サイトの表記に、

「百日咳(せき)」

と「ルビ」が振られるようになりました。

そのことを確認したマスコミ各社も、「濁らず」に、

「百日咳(せき)」

と「ルビ」を振るか、「平仮名」で、

「百日せき」

と書くようになりました。そして「せき」と書かれているので。、

「せき」

と濁らずに読むことも増えてきまし。お気づきでしょうか?

しかし「清音」の「せき」で読むと、

「(ひゃくに)『ちせき』」

と、「無声音」が続くので、この傾向が長く続くと、

「促音化」

して、

「ひゃくにっせき」

となる恐れがあるのではないでしょうか?

「日本石油」→「日石(にっせき)」

「日本赤十字」→「日赤(にっせき)」

のような感じです。誰も、

「にちせき」

とは言わないですものね。それでいいのかな?

いやいや、さすがに、

「ひゃくにっせき」

とは言わないか。「有声音」で、「ひゃくにちせき」と言うようになるかな。

最近「数字+助数詞」を読むときに、

「6発」「8発」、「6本」「8本」、「6分」「8分」

など、以前なら「促音化」して、

「ロッパツ」「ハッパツ」、「ロッポン」「ハッポン」、「ロップン」「ハップン」

と言うことが多かったと思うのですが、最近は「数字」の「音」を重視して、

「ロクハツ」「ハチハツ」「ロクホン」「ハチホン」「ロクフン」「ハチフン」

と言う傾向が強くなっている気もします。(「ロクホン」は聞かない気がしますが、他は聞きます)

そうすると、上に書いたような「百日せき」の促音化した、

「ヒャクニッセキ」

という読み方は広がらないのかな。「有声音化」の傾向かな?

そんな気がしてきました。

 

(2025、5、16)