9881「始球式か?セレモニアルピッチか?」

2025 . 5 . 9

9881

 

 

4月28日の「埼玉西武ライオンズ」のフェイスブックの記事で、

「新川優愛さんがセレモニアルピッチに登場」

という文章を見かけました。この、

「セレモニアルピッチ」

というのは、つまり、

「始球式」

のことですよね?

最近はもう「始球式」って言わないのでしょうか?それとも「西武ライオンズだけの呼び方」なのでしょうか?ネット検索で、「知恵袋」のベストアンサーでは、

「試合開始直前に試合できる状態でするのが『始球式』、グラウンドの整備が終わって選手が出て来る前に単独で行うのが『セレモニアルピッチ』」

とありました。区別があるのか?

また「英語」では、

「Ceremonial First Pitch」(セレモニアル ファースト ピッチ)

と言うそうですから、「セレモニアルピッチ」は、

「英語から『ファースト』を外して短くした形=和製英語」

ですかね?

「ウィキペディア」情報によると、アメリカにおける「セレモニアル・ファースト・ピッチ」は、

「基本的に打席に打者は立たず、内外野の守備も就かない。捕手役には試合に出場する選手(あるいは監督・コーチ)で、その来賓にゆかりのある人物が務めることがある」

のだそうです。

日本の「始球式」は、

「バッターが立って、わざと空振りをする」

というのが以前は「定番」でしたが、そういえば最近は、「バッターが立っていないことが多い」ような気もします。いつから変わったのだろう?そこもポイントかな?

そして「アメリカでの最初の始球式」は、

「1892年」

のウェスタンリーグ開幕試合でのウィリアム・マッキンリー(当時オハイオ州知事、後の第25代大統領)による始球式で、「メジャーリーグ初の始球式」は、

「1910年」

第27代大統領のウィリアム・タフトが、ワシントンD.C.の地元球団『ワシントン・セネタース』の開幕式で行ったのが最初だそうです。

そして「日本最初の始球式」は、

「1908年11月22日」

に、「МLB選抜と早稲田大学野球部」の試合での、

「大隈重信の始球式」

だそうです!そこで大隈の投球は、

「ストライクゾーンから大きく逸れてしまった」

のですが、

「早稲田大学の創設者で総長、政治家である大隈大先生の投球を『ボール球』にしてはいけない」

と考えた早稲田大学の一番バッター「山脇正治捕手」(1885-1959)が、

「わざと空振りをして、ストライクにした」

のだそうです。これ以降、打者は投手役に敬意を表すために、

「投球がボール球でも絶好球でも、空振りをすること」

が慣例となったといいます。山脇捕手は「1903年の第1回早慶戦」や、「1905年の米国遠征」にも参加。「1907年から1910年まで野球部キャプテン」を務めたとのことですが、何年「大学生」をやっていたんですかね?

大隈は「1889年」に暗殺未遂事件で右脚を失っていますが、そんな体で始球式に臨んだんですねえ。「始球式」と「空振り」の関係・発祥はそういうことだったとは、恥ずかしながら、全然知りませんでした!思わぬところから、こういった「セレモニーの形」が定まっていくこともあるのですね。

「1908年」というと、

「早稲田大学校歌(通称「都の西北」)が制定された年(1907年)の翌年」

ですから、この試合でも「校歌」が歌われたのかなあ?

まあ、いずれにせよ、基本的に「始球式」は「野球」の儀式ですね。

 

(2025、5、7)