新人ADさんが、
「『ダ/イゴ』のチェックお願いします」
とテロップをプリントアウトした紙を持って来ました。そこには、
「醍醐寺」
と書いてありました。
「それはアクセントが違うね。『醍醐(ダ\イゴ)』だから『頭高アクセント』だね。ちなみに『醍醐』って、何のことかわかる?」
「・・・わかりません。」
「チーズだよ。」
「へえー。」
「ところで、『醍醐寺』といえば?」
「チーズ?」
「その話は、もう終わった。豊臣秀吉だよ。」
「へえー。」
「大阪城を作った人。」
「すみません、学がないのでわかりません。」
私の中で、
「学がないので分からない」
という謙遜の言葉は、
「漫才コンビ『ナイツ』のネタの中に出て来る言葉」
なのですが、それはさておき、
「そのぐらいは、大阪で仕事をするんだったら、覚えとかなきゃ。その秀吉が花見をしたのが『醍醐寺』で、『醍醐の花見』って有名なんだよ。」
「へえー。」
「この季節に『醍醐寺』ってテロップが出てきたら『ああ桜だな、花見だな』って思わないとね。」
「はい。」
さて、どのぐらい伝わったのかな?
あと、
「醍醐の桜」
といえば、日本画家、
「奥村土牛(とぎゅう)の『醍醐』」
という作品が有名ですね。私はそれを、「切手趣味週間」の切手で知りました。
ちなみに「チーズ」の話は、「古代のチーズ」に当たる「蘇(そ)」が、
「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」
という、421年ごろにお釈迦さまの言葉を漢語に翻訳した仏典に出て来るそうで、そのお経の中に、
「牛より乳を出し、乳より『酪(らく)』を出し、酪より『生蘇(せいそ)』を出し、生蘇より『熟蘇(じゅくそ)』を出し、熟蘇より『醍醐』を出す。醍醐は最上なり。」
とあるそうです。これは、牛乳の加工品が、
「酪→生蘇→熟蘇→醍醐」
と風味を増していく様子を記しているのだそうです。乳製品の一番トップにあるのが、
「醍醐」
で、そこから、
「醍醐味」
という言葉も生まれているのですね!
だから「チーズ」と言ったのは、あながち間違ってはいませんよね。


