益田ミリさんの「47都道府県 女ひとりで行ってみよう」(幻冬舎文庫)という本を読
んでいたら、しょっぱなの訪問県「青森県」(9ページ)で、こんな記述が出て来まし
た。
「地元の名産物を紹介するイベントをやっていたが、かなり盛り下がっていた。盛り下が
ってはいたが、それはイヤな盛り下がり方ではなく、町内の子ども会みたいな素朴な盛り
下がり方だ。」
と、3~4行に4回も、
「盛り下がる」
という言葉が出てきました。けなしているわけではなく、
「ほのぼのとした感じが好ましい」
と言っているのですが、でも何となく、
「全面的には評価していないような感じ」
がします。
というのも、「盛る」んだから、普通考えたら、
「盛り上がる」
しかないのでは?と思うわけです。「下がる」のであれば、「掘る」で、
「掘り下げる」「堀下がる(?)」
ですよね。「盛り下がる」は、
「盛り上げようと試みてはいるものの、盛り上がっていない様子」
を指すんですよね。
新語をいち早く取り入れる「三省堂国語辞典・第八版」は採用しているか?引いてみたと
ころ、なんと「見出し語」として載っていました!
*「もりさがる(盛り下がる・自五)」=ふんいきがすっかりしらける。(「盛り上がる」
をもじったことば。)【他】盛り下げる(下一)
うーん、どっちかというと「盛り下がる」とりも、他動詞の「盛り下げる」のほうが使い
そうな感じがするなあ。でも「三省堂国語辞典」が載せるぐらい流通している言葉なんで
すね。この益田ミリさんの本の単行本初版は、
「2008年6月」
ですから、もうこの本での「初出」から「17年」、「三国・八版」(2022年)が載せ
てからでも「3年」経っているわけですから、
「定着している」
と言えるのでしょうね。「俗語」だとは思いますが、「三国」は「俗語」とも書いてないん
だよなあ。「盛る」と「下がる」の「矛盾」については、どう考えているのだろうか?


