9756「盛り下がる」

2025 . 2 . 13

9756

 

 

益田ミリさんの「47都道府県 女ひとりで行ってみよう」(幻冬舎文庫)という本を読

んでいたら、しょっぱなの訪問県「青森県」(9ページ)で、こんな記述が出て来まし

た。

「地元の名産物を紹介するイベントをやっていたが、かなり盛り下がっていた。盛り下が

ってはいたが、それはイヤな盛り下がり方ではなく、町内の子ども会みたいな素朴な盛り

下がり方だ。」

と、3~4行に4回も、

「盛り下がる」

という言葉が出てきました。けなしているわけではなく、

「ほのぼのとした感じが好ましい」

と言っているのですが、でも何となく、

「全面的には評価していないような感じ」

がします。

というのも、「盛る」んだから、普通考えたら、

「盛り上がる」

しかないのでは?と思うわけです。「下がる」のであれば、「掘る」で、

「掘り下げる」「堀下がる(?)」

ですよね。「盛り下がる」は、

「盛り上げようと試みてはいるものの、盛り上がっていない様子」

を指すんですよね。

新語をいち早く取り入れる「三省堂国語辞典・第八版」は採用しているか?引いてみたと

ころ、なんと「見出し語」として載っていました!

*「もりさがる(盛り下がる・自五)」=ふんいきがすっかりしらける。(「盛り上がる」

をもじったことば。)【他】盛り下げる(下一)

うーん、どっちかというと「盛り下がる」とりも、他動詞の「盛り下げる」のほうが使い

そうな感じがするなあ。でも「三省堂国語辞典」が載せるぐらい流通している言葉なんで

すね。この益田ミリさんの本の単行本初版は、

「2008年6月」

ですから、もうこの本での「初出」から「17年」、「三国・八版」(2022年)が載せ

てからでも「3年」経っているわけですから、

「定着している」

と言えるのでしょうね。「俗語」だとは思いますが、「三国」は「俗語」とも書いてないん

だよなあ。「盛る」と「下がる」の「矛盾」については、どう考えているのだろうか?

 

(2025、2、23)