12月26日の読売テレビのお昼のニュースを見ていたら、正月準備が進むというニュー
スで、兵庫県姫路市の姫路城で、
「ジャンボ門松の飾り付け」
が行われたというニュースが流れていました。それを見て思ったのは、
「この『ジャンボ』という言葉は、『ジャンボジェット機』、つまり『ボーイング747』
が日本に就航した『1970年』の『流行語』だったのではないか?」
ということです。思えば、
「ジャンボ鶴田」
というリングネームのプロレスラーもいましたし、プロゴルファーの「尾崎将司」さんの
ニックネームも、
「ジャンボ尾崎」
でした。
「ジャンボ鶴田」は「1951年生まれ」で2000年没、「196センチ」。
「1973年」に、それまでの本名「鶴田友美」から「ジャンボ鶴田」にリングネームを
改名しました。これは当時、日本航空で就航し一般にも名前が浸透して来た時期だった
「ジャンボジェット機」にちなんでのことだそうです。やはりね。
一方「ジャンボ尾崎」は「1947年」生まれ、「181センチ」。
「ジャンボ」というニックネームの由来については、2018年1月24日のブログ「ミ
タさん&タクさんゴルフ昔話」で、ゴルフジャーナリストの三田村昌鳳さん(ミタさん)
とゴルフ写真家の宮本卓さん(タクさん)の対談で語られていました。
https://news.golfdigest.co.jp/news/mitasantakusan/article/72428/1/
三田村さんによると、「スポーツニッポン」の樋口恭記者が、1970年に千葉・習志野
で行われた「月例会」で、尾崎将司を取材した際の記事が、
「ジャンボ・プロ誕生」
という書き出しだったそうです。やはり当時は、アメリカからちょうど「ジャンボジェッ
ト機(ボーイング747)」が入ってきた頃だったから、そう名付けたんですね。
宮本さんも、
「あの頃、ジャンボジェット機は、世間の想像を絶するほど大きな機体だったんだよ。」
と話しています。
そうだ、いまだに続く、
「年末ジャンボ宝くじ」
などの「ジャンボ宝くじ」の「ジャンボ」の起源も「1970年代」なのでは?
調べてみたら、「1979年夏」の
「サマージャンボ宝くじ」
が「ジャンボ宝くじ」の始まりで、その年の年末の「年末ジャンボ宝くじ」へとつながっ
ていったそうです。やはり「1970年代」(つまり半世紀前!)なのですね。
でも「サマー」のほうが「年末」より早かったのは、意外でした。
そもそも「ジャンボ」は、アフリカの「マサイ族」の「挨拶の時の言葉」で、背の高いマ
サイ族を見て、
「背が高い(大きい)って、何て言うの?」
と聞いたら、向こうは「挨拶」で、
「ジャンボ(こんにちは)」
と答えたのを、欧米人が、
「そうか、『大きい』は『ジャンボ』と言うのか!」
と勘違いして「大きなもの」を「ジャンボ」と呼ぶようになったと聞いたことがありま
す。
室町後期・戦国時代の人達が、当時来日したスペイン・ポルトガルの宣教師に、
「遊具の『ブランコ』」
を指して、
「あれは何だ?」
と聞いたら、「色」について聞かれたと思って、
「ブランコ(白)」
と答えたので、
「そうか、あの遊具は『ブランコ』と言うのか」
と思って名付けけられたり、
「城」
の絵が描かれている箱に入ったお菓子を指して、
「これは何という菓子か?」
と聞いたら「城」のことだと思った宣教師が、
「カスティーリョ(城)」
と答えたら、
「そうか、これは『カステラ』という菓子か」
と勘違いして名付けられたり、というのと同じなのかなあ?
オーストラリアで、ピョンピョン跳ねる大きな動物を指して、
「あれは何という動物だ?」
と聞いたら、先住民が、
「カンガルー(知らない・わからない)」
と答えたのを、
「そうか、あれは『カンガルー』という動物か」
と勘違いして名付けられたのも同じかな。もっともこの話は「マユツバ」らしいですが。
でも「ジャンボ」が「1970年起源」とすると、「1971年」に流行った、
「ナウイ」「ナウな(ヤング)」
と「ほぼ同世代」なわけですよね。同じ「新語・流行語」だった「ナウイ」「ナウな」は
廃れる一方なのに、「ジャンボ」は、しっかり定着して根付いていると言えるのではない
でしょうか?
・・・・・・・・・・
と、ここまで書いて、なんと11年前の年末、
「2013年12月」
に、こんなことを書きかけたまま、ほったらかしになっているのを見つけました。
『平成ことば事情5318「メガとジャンボ」
<2013年12月27日に書きかけました。>
飯間さんの著書。「メガ」の台頭で「ジャンボ」は?
ジャンボ絵馬のようなジャンボの使い方も廃れるか?メガに取って代わられるか??」
・・・・・・・・・・
そう!これです、これです!これを書こうとして、「ほったらかし」だったんです!
飯間浩明さんの本は何だったっけ?検索、検索。「読書日記」を調べてみたら、たぶんこ
の本じゃないかな、
「2013読書日記227『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?~ワードハンテ
ィングの現場から』(飯間浩明、ディスカヴァー携書:2013、12、30)」
ここで、すでに飯間さんは「目が」の台頭で「ジャンボ」は衰退するのではないか?とい
う仮説を立てていらっしゃるようです。さすが「三省堂国語辞典」の編纂者、「ワードウ
ォッチャー」!
本棚を捜してみたけれど、この本が見当たらなかったので、また見つけたら、その下りを
ご紹介します!
しかし、11年後も、「ジャンボ」は元気で生きているようですね。



(追記)
「ジャンボ」は、ボーイング747」よりも前、戦前に、
「上野動物園のゾウの名前」
として人気があったことを、すっかり忘れていました…。
それと4月18日の「ミヤネ屋」では
「ジャンボこいのぼり」
を紹介しました。
また5月8日には、
「ドリームジャンボ宝くじ」
が発売されてニュースになりました。販売期間は「6月6日まで」だそうです。
「ジャンボ」は死なず!
(2025、5、14)