現在、故郷の鳥取にお住まいの、元大阪大学(大阪外国語大学)教授の小矢野哲夫先生が
フェイスブックで、
「雪ずりの音が聞こえた。去年、初めて聞いた時は驚いたものだ」
というようなことを書かれていました。この、
「雪ずり」
というのが初めて見た言葉だったので、
「どういう意味ですか?」
とお聞きしたところ、
「屋根に積もった雪がずり落ちることです」
とのお答え。へえ、さすが雪国だなあと思いました。
「『雪ずれ』ではないのですね?」
と確認すると、
「はい。『雪きずり』です。」
「雪(が)ずり(落ちる)」
なのですね。でも「音」だけ聞くと、
「行きずり」
だと思っちゃうなあ。
この「雪ずり」は、国語辞典には載っているのでしょうか?
「三省堂国語辞典」を引くと、載っていません。「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」「岩
波国語辞典」「現代国語例解辞典」「新選国語辞典」「三省堂現代新国語辞典」「大辞林」に
も、「雪ずり」は載っていませんでした。
「精選版日本国語大辞典」には、
「ゆきずり(雪摩)」
が載っていましたが、意味は、
「鷹の尾羽などを雪ですりからしたもの」
としか載っておらず、
「屋根から雪がずれて落ちること」
という意味は、ありませんでした。
「広辞苑」も同様でした。
「雪のように白い羽」
という意味は載っていましたが。
ネット検索では、
「ゆきづり(雪吊り)」
というのはありました。金沢の兼六園などで見かける、
「雪の重みから樹木を守るため、木に円錐状に(クリスマスツリーのように)縄を張る作
業のこと」
を言うそうですが、違いますね。
「雪ずり」は、
「鳥取の方言」
なんですかねえ?それとも、
「日本海側の豪雪地帯全体の方言」
なんですかねえ?
(2024、12、26)


