12月18日の「ミヤネ屋」のテロップを確認していたら、インタビューに答えた人の言
葉のテロップフォローとして、
「莫大な量の」
という言葉が出て来ました。まず「莫大」の「莫」が「常用漢字ではない」ので、熟語全
体に「ルビ」を振り、
「莫大(ばくだい)な量」
としました。その上で気になったのは、
「『量』の場合は、『莫大な』ではなく『膨大な』ではないのか?」
ということです。
「莫大と膨大」
似た言葉ですが、ちょっとニュアンスが違います。私の感覚では、
「莫大な利益」「莫大な売り上げ」
といって、
「膨大な量」
と言う。「莫大な量」とは言わない。なぜならば、
「『莫大な』は『数』の大きさ」
『膨大な』は『膨らむ』ので『量』の多さ」
を示しているのではないかと。ですから「莫大な」の「後ろ」には、
「金額」「資産」「遺産」
など「数字」で数えられるもの(可算名詞)が来て、
「量」
など「不可算名詞」の「前」に、
「膨大な」
を使うのだと思いました。
「莫大」=「大きさ莫(な)し」
ですからね。「三省堂国語辞典・第八版」では、
*「莫大」=(金額などが)この上もなく(大きい/多い)ようす。(例)莫大な借金、莫
大なエネルギーを費やす。
*「膨大」=(量・内容などが)非常に大きいようす。(例)膨大な費用、膨大な時間。
これを見ると「膨大な」のほうが「使用範囲が広い」ようにも感じますね。
(2024、12、18)


