9640「ヒリヒリ・ピリピリ・ビリビリ」

2024 . 11 . 12

9640

 

 

ワールドシリーズは、ドジャースがヤンキースを下して優勝を飾りましたが、シーズン中もポストシーズンも、

「ヒリヒリするような試合」

を戦ってきたと思います。大谷翔平選手は、エンゼルス時代は、一度もポストシーズンを戦えず(プレーオフへの出場ができず)、去年の移籍の際の会見で、

「もっとヒリヒリした9月を過ごしたい。」

と語っていました。

この、

「ヒリヒリ」

と、「濁音」「半濁音」の、

「ビリビリ」「ピリピリ」

のニュアンスの違いはどうなのか?考えてみました。いずれも、

「痛みを伴い表現」

ですよね。パッと思い付くのは、

*「ヒリヒリ」=表面・皮膚が、しびれるように痛む

*「ピリピリ」=緊張して空気がピリピリしている、少し触れると痛い。体全体がしびれる感じ味が辛くて舌がしびれる。

*「ビリビリ」=電気が流れてしびれる。

ということは、いずれの「痛み」も、

「しびれを伴う」

のですね!共通項が出て来たぞ!そして、その程度・しびれが広がる範囲が、

ヒリヒリ<ピリピリ<ビリビリ

のように、

清音<半濁音<濁音

となっている気がします。

こういった例を他にも考えたら、

「はりはり鍋」

の「はりはり」がありました。

「ハリハリ」「パリパリ」「バリバリ」

これらは、

「物を噛んだ時の擬声語」

のように感じます。そうか、あのクジラと水菜の「はりはり鍋」の「はりはり」は、「バリバリ」よりも「パリパリ」よりも「軽い歯触り」を示していたのか!

これらはともに「ハ行」ですよね。「半濁音」と「濁音」があり、いずれも「母音の無声化のある行」です。

「半濁音はない」けれど「無声化になる行」には「サ行」がありますね。

「濁音の有無」で分けてみると、

【濁音がある行】カ行・サ行・タ行・ハ行

【濁音がない行】ア行・ナ行・マ行・ヤ行・ラ行

では、「母音の無声化の有無」で分けてみると、

【無声化がある行】カ行・サ行・タ行・ハ行

【無声化がない行】ア行・ナ行・マ行・ヤ行・ラ行

あら!全く一致する。つまり「母音の無性化」と「濁音」も関連していたのかな?

なんかこれは、おもしろそうですね!

 

(2024、11、12)

(追記)

「はりはり」に関しては、

「切り干し大根のはりはり漬け」

というものがありました。これも、

「噛んだときの食感」

から名付けられたのではないでしょうか。

農水省のサイトに故郷の料理を紹介するコーナーがあって、そこでは、この「はりはり漬け」は、

「新潟県の郷土料理」

とされていて、名前の由来は、

「大根を食べた時に『はりはり』と音を立てるからと言われている」

と記されていました。

(2024、11、28)