映画を見てから、この本を買って読んだ。安部公房は高校時代には読んでいたが、その後は読んでいなかった。本屋さんの文庫本のコーナーに行ったが、
「安部公房なんて、いまどき置いてあるのかな?」
と思ったら、映画をきっかけに「安部公房コーナー」が出来ていて、驚いた!そうか今年「生誕100年」なんだね!うーん、やっぱりこれ「純文学」なのか?「不条理」ですよね、これ。
でも、もしかしたら、今の防犯カメラやドライブレコーダーや、スマホのカメラだらけになる21世紀の世の中を、予見していたのかもしれないなとも思った。
「箱」の中に入ることで、ある意味「透明人間になるマント」を手に入れたような気になるが、それを剥がされて、逆に他人からの視線を浴びることには耐えられない、そういった人は、結構たくさんいるのではないだろうか?
ボーッと見て(読んで)いたら「つまんない」で終わる映画(小説)かもしれないが、安部公房の頭の中(なぜこれを書いたのか、何を訴えたかったのか)を想像して読むと、いろいろイメージが広がるのかも。でも、難しいです。
あ、映画は、かなり原作に忠実なんじゃないかなと思いました。
(2024、9、24読了)


