9573「非日常のアクセント」

2024 . 9 . 26

9573

 

 

「非日常」

という言葉のアクセントは、2語に分けて、

「ヒ・ニ/チジョー」

だと思うのですが、先日後輩のアナウンサーが「1語」でコンパウンドして、

「ヒ/ニ\チジョー」

と読んでいるのを聞いて、違和感がありました。

「日常」を否定することに「非日常」の意味があるのですから、「非」を「日常」の内に取り込んでしまっては、

「『非日常』ではなくなってしまう」

ではないですか!大体、

「コンパウンドというのは、複合語の結合が強くなった場合に起きる」

のですから「非」が「日常」に取り込まれては「非日常」ではなくなってしまう。すなわち、

「論理矛盾」

が起きるのです!

アクセント辞典にも当然載っているだろうと思って引いてみたら、この言葉は載っていない・・・。そこでちょっと落ち着いて考えてみました。たしかに、

「非○○」

という形の言葉ですぐに思い付く、

「非常識」

は「コンパウンドした1語」で、

「ヒ/ジョ\ーシキ」

と「中高アクセント」になります。これは「非常識」という複合語がもうすでに「1語」になってしまって、

「常識の範囲内に収まる『非常識』」

になってしまっているからではないでしょうか?

「非常口」「非常食」

も「1語」で「コンパウンド」しますね。これも「通常の言葉」として認識されているからでしょう。つまり「想定内」なのです。

それに対して「非日常」は、「非日常的」が、

「ヒ・ニ/チジョーテキ」

と「2語に分かれる」ことから考えても、

「コンパウンドしない」

と思うのです。皆さん、いかがでしょうか?

 

(2024、9、25)