通勤途中、駅で耳に入って来た言葉が、30代後半か40代ぐらいの女性の声で、
「スイミング習ってる」
断片的なこの言葉が耳に留まりました。その理由は「スイミング」のアクセントが「頭高アクセント」で「ス」が高い、
「ス\イミング」
だったのです。これは標準語アクセントだと「イ」が高い、
「ス/イ\ミング」
と「中高アクセント」ではないか?と思ったのです。
あとで「NHK日本語発音アクセント新辞典」を引くと、
「ス/イ\ミング」「ス\イミング」
の順で両方載っていましたが、「三省堂国語辞典・第八版」では、1種類しかアクセントを表示できないので、
「ス/イ\ミング」
だけでした。「新明解国語辞典・第八版」では【2】、つまり、
「ス/イ\ミング」
だけでした。ここから考えると、元々は「中高アクセント」の「ス/イ\ミング」だったのが、最近は「頭高アクセント」の「ス\イミング」も増えてきたのではないか?
実際、「ミヤネ屋」スタッフの若者に聞いたら、「頭高アクセント」の、
「ス\イミング」
と答えました。これは「関西のアクセント」あるいは「日本全体の新しいアクセント」ではないか?
足立アナウンサーに聞いてみたら…彼女も「若者」ですが、さすがプロのアナウンサー、
「ス/イ\ミング」
と「中高」で答えました。
なぜ「頭高アクセント」の「ス\イミング」と言うようになってきたのか?
私が思ったのは、
「『スイミング』の『スイ』に『水(スイ・ミズ)』のイメージを持ったからではないか?」
ということです。関西の人は、「口を拭う」
「ナプキン」
のことを、
「ナフキン」
という傾向があります。これは、テーブルを拭く、
「布巾(ふきん)」
のイメージを重ね合わせているのではないかと思うのです。これに関しては以前、
平成ことば事情1932「ナフキン」
平成ことば事情5497「ナフキンとナプキン」
平成ことば事情5733「ナフキンとナプキン2」
に書きました。
この「ス\イミング」の新しいアクセントにも、そういったことがあるのではないか?と思ったのでした。


