9481「『ろう』は溶けるか?解けるか?」

2024 . 7 . 10

9481

 

 

アメリカが、あまりの暑さで「ろう」で造った「リンカーン大統領像」がとけてしまったというニュースを、7月9日の「ミヤネ屋」の中でお伝えしました。

その際にディレクターから、

「『ろう』は『溶ける』でいいんでしょうか?それとも『解ける』でしょうか?もしかして『融ける』ですか?」

と質問を受けました。

というのは「氷」は「解ける」ですし、「融ける」も使いそうだからでしょうね。この使い分けは難しいですね。

いろいろ調べて考えた結果、

○「溶ける」

にしました。

たしかに「氷」は「解ける」ですが、それは、

「常温での普段の姿は、液体(=水)」

であって、

「気温が0度以下に下がった状況のときのみ、氷(固体)になる」

のであって、

「その状態が解除される(=解ける)と『水に戻る』から『解ける』」

と解釈できます。

それに対して「ろう」は、

「常温で個体」

その「ろう」でできた「リンカーン像」が、気温が上がって「とけた」としても、ドロドロではあるが「完全な液体」になるほどではないので、

「溶ける」

を使うと。「ろう」が完全に「流れ出した」なら「解ける」かもしれませんが…。でもその状態が「本来の状態ではない」から、やはり「溶ける」かな。

という結論に至りました。

ちなみに「融ける」は、

「常用漢字表に訓読みが載っていない=表外訓」

なので、「新聞用語集」によると、

「溶ける」

を使うことになっていました。

 

(2024、7、10)