アメリカが、あまりの暑さで「ろう」で造った「リンカーン大統領像」がとけてしまったというニュースを、7月9日の「ミヤネ屋」の中でお伝えしました。
その際にディレクターから、
「『ろう』は『溶ける』でいいんでしょうか?それとも『解ける』でしょうか?もしかして『融ける』ですか?」
と質問を受けました。
というのは「氷」は「解ける」ですし、「融ける」も使いそうだからでしょうね。この使い分けは難しいですね。
いろいろ調べて考えた結果、
○「溶ける」
にしました。
たしかに「氷」は「解ける」ですが、それは、
「常温での普段の姿は、液体(=水)」
であって、
「気温が0度以下に下がった状況のときのみ、氷(固体)になる」
のであって、
「その状態が解除される(=解ける)と『水に戻る』から『解ける』」
と解釈できます。
それに対して「ろう」は、
「常温で個体」
その「ろう」でできた「リンカーン像」が、気温が上がって「とけた」としても、ドロドロではあるが「完全な液体」になるほどではないので、
「溶ける」
を使うと。「ろう」が完全に「流れ出した」なら「解ける」かもしれませんが…。でもその状態が「本来の状態ではない」から、やはり「溶ける」かな。
という結論に至りました。
ちなみに「融ける」は、
「常用漢字表に訓読みが載っていない=表外訓」
なので、「新聞用語集」によると、
「溶ける」
を使うことになっていました。
(2024、7、10)


