9494「拍手が上がりました」

2024 . 7 . 17

9494

 

 

「拍手」

は「上がる」でしょうか?

「湧き起こる」

ものなのではないでしょうか?「上がる」のは、

「歓声」

ですよね。そう「上がる」のは「音」です。ですから、

「拍手のパチパチという音」

は「上がる」かもしれないが、「拍手」はそもそも、

「手と手をたたき合わせるという動作」

を示し、その結果として「パチパチ」という音が聞こえる。普通のコロケーション(語の結び付き)としては「動作」に注目して、

「拍手が起こる(起きる)」

で、それが力強くとめどなく出てくる場合は、

「湧き起こる」

ですね。これは、

「勇気、ファイト、やる気、熱気、闘志、実感」

といった、

「心の底から湧いて来るもの」

に使うのではないでしょうか。つまりこの「湧いて来る」は「発生する」「生まれる」です。

「拍手」自体は「上がらない」のですが、

「拍手が湧く」

とは言います。また先ほど例示した中で、「勇気、ファイト、やる気、熱気、闘志」は、

「熱い」

ので、「沸騰」したりするので、

「湧く」=「沸く」

にも通じます。そこで、

「湧き起こる」→「湧き上がる」→「沸き上がる」

と来て、そこから「沸き」が省略され、「上がる」という変化が起きても不思議ではありません。そこから、

「拍手が上がる」

という表現も出てくるのではないでしょうか?

ま、いずれにせよ「混交表現」で、私は「間違い」だと思います。

関連で「令和ことば事情7559拍手が巻き起こる?」もお読みください。

 

(2024、7、17)