「拍手」
は「上がる」でしょうか?
「湧き起こる」
ものなのではないでしょうか?「上がる」のは、
「歓声」
ですよね。そう「上がる」のは「音」です。ですから、
「拍手のパチパチという音」
は「上がる」かもしれないが、「拍手」はそもそも、
「手と手をたたき合わせるという動作」
を示し、その結果として「パチパチ」という音が聞こえる。普通のコロケーション(語の結び付き)としては「動作」に注目して、
「拍手が起こる(起きる)」
で、それが力強くとめどなく出てくる場合は、
「湧き起こる」
ですね。これは、
「勇気、ファイト、やる気、熱気、闘志、実感」
といった、
「心の底から湧いて来るもの」
に使うのではないでしょうか。つまりこの「湧いて来る」は「発生する」「生まれる」です。
「拍手」自体は「上がらない」のですが、
「拍手が湧く」
とは言います。また先ほど例示した中で、「勇気、ファイト、やる気、熱気、闘志」は、
「熱い」
ので、「沸騰」したりするので、
「湧く」=「沸く」
にも通じます。そこで、
「湧き起こる」→「湧き上がる」→「沸き上がる」
と来て、そこから「沸き」が省略され、「上がる」という変化が起きても不思議ではありません。そこから、
「拍手が上がる」
という表現も出てくるのではないでしょうか?
ま、いずれにせよ「混交表現」で、私は「間違い」だと思います。
関連で「令和ことば事情7559拍手が巻き起こる?」もお読みください。
(2024、7、17)


