9476「ダサみ」

2024 . 7 . 9

9476

 

 

酒井順子著「消費される階級」(集英社)を読んでいたら、

「ほどよいダサみ」

という言葉が出て来ました。この、

「ダサみ」

は、あまり辞書に載っていない言葉だと思います。

「くさみ」「にがみ」

といった「○○み」とは、ちょっと種類が違うように感じます。(「新しい言葉」だということだけかもしれませんが。)どれも、「形容詞+み」の形ですが。

新語をいち早く取り入れることで知られる「三省堂国語辞典・第八版」にも「ださい」は「見出し」にあって、その名詞形として、

「だささ」

は載っていても、「ださみ」はありません。最近の若者言葉の

「○○み」

としては、

「わかりみが深い」

という「わかりみ」がありますが、「ダサみ」も、その一種ではないでしょうか。

そもそも「ダサい」という形容詞も、

「1970年代から使われ始めた」

と「三省堂国語辞典」にあります。比較的新しい形容詞です。その「名詞形」は「ダサさ」というように、

「○○さ」

の形になるわけですが、そもそもの「形容詞の語幹」に「み」が付く形の「名詞」が誕生するには、さらにかなりの時間がかかるのではないでしょうか?

その形容詞が熟成して、凝縮された成分・エキスに「み」が付いて、ようやく、

「ダサみ」

の誕生に至るだと思います。

 

(2024、7、5)