酒井順子著「消費される階級」(集英社)を読んでいたら、
「ほどよいダサみ」
という言葉が出て来ました。この、
「ダサみ」
は、あまり辞書に載っていない言葉だと思います。
「くさみ」「にがみ」
といった「○○み」とは、ちょっと種類が違うように感じます。(「新しい言葉」だということだけかもしれませんが。)どれも、「形容詞+み」の形ですが。
新語をいち早く取り入れることで知られる「三省堂国語辞典・第八版」にも「ださい」は「見出し」にあって、その名詞形として、
「だささ」
は載っていても、「ださみ」はありません。最近の若者言葉の
「○○み」
としては、
「わかりみが深い」
という「わかりみ」がありますが、「ダサみ」も、その一種ではないでしょうか。
そもそも「ダサい」という形容詞も、
「1970年代から使われ始めた」
と「三省堂国語辞典」にあります。比較的新しい形容詞です。その「名詞形」は「ダサさ」というように、
「○○さ」
の形になるわけですが、そもそもの「形容詞の語幹」に「み」が付く形の「名詞」が誕生するには、さらにかなりの時間がかかるのではないでしょうか?
その形容詞が熟成して、凝縮された成分・エキスに「み」が付いて、ようやく、
「ダサみ」
の誕生に至るだと思います。
(2024、7、5)


