9402「登坂車線の読み方」

2024 . 5 . 16

9402

 

 

「登坂車線」

の読み方は、

「とうはん(トーハン)」か?「とはん(トハン)」か?「トーバン」か?

が気になりました。濁る「トーバン」はないとしても、「登頂」「登庁」から言うと、

「トーハン」

でいいのでは?と思いましたが、「登山」から言うと、

「トハン」

ですよねえ。

「NHK日本語発音アクセント新辞典」を引くと、

「トハンシャセン」

でした。そして「トーハン」を引くと、

「登攀(とうはん)」

が載っていました。そうか、この区別を付けるために、分けているのかもしれないな。

…と思ったら「NHKことばのハンドブック第2版」では、なんと、

・「登坂」  =トーハン

・「登坂車線」=トハンシャセン

と「車線」が付くかどうかで「分けている」ではありませんか!

そして国語辞典では「精選版日本国語大辞典」「デジタル大辞泉」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」は「見出し」は、

「トーハン」

で、語釈の中に、「トハンとも」と書かれています。「トハン」の「空見出し」があるものとないものがあります。

「岩波国語辞典」は逆に、

「トハン」

が「見出し語」で「トウハンとも」と語釈の中に書かれています。

「現代国語例解辞典」は「見出し語」は「トーハン」ですが(「トハン」は空見出し」)その語釈の中に、

「専門用語としては『トハン』という場合が多い」

と書かれていました。

そして「新選国語辞典」も「見出し」は「トーハン」なのですが、その語釈の中に同様に、

「【参考】専門用語では『トハン』と読む傾向がある」

とありました。

なるほど、一般語として「坂を登ること」=「登坂(トーハン)」だけれども、「道路の専門用語」としては「登坂(トハン)車線」と読む傾向があると。つまりは、

「『NHKことばのハンドブック第2版』が示したとおり」

ということのようです。

 

(2024、5、16)