「登坂車線」
の読み方は、
「とうはん(トーハン)」か?「とはん(トハン)」か?「トーバン」か?
が気になりました。濁る「トーバン」はないとしても、「登頂」「登庁」から言うと、
「トーハン」
でいいのでは?と思いましたが、「登山」から言うと、
「トハン」
ですよねえ。
「NHK日本語発音アクセント新辞典」を引くと、
「トハンシャセン」
でした。そして「トーハン」を引くと、
「登攀(とうはん)」
が載っていました。そうか、この区別を付けるために、分けているのかもしれないな。
…と思ったら「NHKことばのハンドブック第2版」では、なんと、
・「登坂」 =トーハン
・「登坂車線」=トハンシャセン
と「車線」が付くかどうかで「分けている」ではありませんか!
そして国語辞典では「精選版日本国語大辞典」「デジタル大辞泉」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」は「見出し」は、
「トーハン」
で、語釈の中に、「トハンとも」と書かれています。「トハン」の「空見出し」があるものとないものがあります。
「岩波国語辞典」は逆に、
「トハン」
が「見出し語」で「トウハンとも」と語釈の中に書かれています。
「現代国語例解辞典」は「見出し語」は「トーハン」ですが(「トハン」は空見出し」)その語釈の中に、
「専門用語としては『トハン』という場合が多い」
と書かれていました。
そして「新選国語辞典」も「見出し」は「トーハン」なのですが、その語釈の中に同様に、
「【参考】専門用語では『トハン』と読む傾向がある」
とありました。
なるほど、一般語として「坂を登ること」=「登坂(トーハン)」だけれども、「道路の専門用語」としては「登坂(トハン)車線」と読む傾向があると。つまりは、
「『NHKことばのハンドブック第2版』が示したとおり」
ということのようです。


