最近時々、若い女性が使っているのを聞く言葉に、
「よき」
があります。
「よい」
という意味で使っています。きょう(5月1日)も、「かんさい情報ネットten.」の「めばえ」のコーナーで、きょう赤ちゃんが生まれた若いお母さん(25歳)が、自分が産んだ子どもを見て、こう言っていました。
「ちっちゃくて、かわいくて、よき!」
そう、この使い方です。
「ミヤネ屋」の若いスタッフ(20代前半・男女)に聞いてみたところ、
「ああ、言いますね。」
「どういう感じで使うの?」
「LINEとかで、『いいね』の代わりに使う感じで。『このお店どう?』『ああ、よき!』みたいな感じで」
「へー、男性も使うの?」
「使いますね」
「いつ頃から使ってるの?」
「私は、学生時代から使ってます」
「ってことは(気を使いながら)4~5年前から?」
「そのぐらいですね」
ということでした。やはり使われている。これは、飯間さん、普段から学生と接しているからきっと気付いているけど、「三国(三省堂国語辞典・第八版)」に載せているかな?
引いてみると、あ、載せていない!
「よき(良き)」は載っていましたが、「文語」としての使い方の、
「良き友」「良きにつけ悪(あ)しきにつけ」「きょうの良き日(=結婚式など、晴れの日)」「(殿様などが)良きにはからえ」
しか載っていませんでした。これは、
「新語・俗語なので定着しない」
という判断なのでしょうか?
ちょうど「ミヤネ屋」の澤口アナウンサーと会ったので、
「『よき』って使う?」
と聞くと、
「ああ、もう『死語』ですけど、2年ぐらい前までは使っていましたね。LINEで連絡するときに。今は『あり』を使いますね」
「え?『あり』?モハメッド?」
と答えましたが、もちろん、全然、受けませんでした。
フン!そんなの、わかってらい!(受けないことが)わかっていても、言わずにはいられないのが「オヤジギャグの使命」なんだい!
話が横にそれました。
「でも『あり』じゃあ、『よき』よりも、なんか評価が下がった感じがするけど…。」
「たとえば、『きょう、ご飯行く?』とLINEしたときの返事で『あり!』という感じです。」
「それじゃあ、『ОK』みたいな感じか」
「そうですね」
ふーん、知らないところで知らない言葉が使われていますね。「よき」も「あり」も特徴は、
「センテンスが短い」
ということかな?LINEで使われるということは、いわゆる、
「打ち言葉」ですかね。
東北地方で、
「どさ?」(どちらへ行かれるんですか?)
「ゆさ」(お湯屋=銭湯に行きます)
とか、
「け」(召し上がれ)
「く」(いただきます)
というような感じなのかなあ?
グーグルで検索できるだろうか?一応してみました。(5月1日)
「よき、LINE」=335万件
そうか、「LINEスタンプ」に「よき」があるんだ!60種類も!
そして検索した中で「言葉マップ(KOTOBA MAP)」というサイトに、
「よき(良き)の意味とは?女子高生が使う若者言葉が3分でわかる!」
という興味深いタイトルの記述が。それによると、
「女子高生が使う『よき・良き』に関しては、『よき=良いね!良い』という感じで覚えておけばOK!」
使い方は、
「昨日見に行っていた映画、面白かった?」「うん!アクションシーンが特によき」
「そのコーディネート良きだね!」
「明日遅刻しそうだから、8時にずらしてもらっても良い?」「よき良き!」
と使うそうです。
少し前に「武士言葉」がはやったことがありましたが、「古文」で使うような言葉を使うって、時々はやりますね。


