9391「よき」

2024 . 5 . 2

9391

 

 

最近時々、若い女性が使っているのを聞く言葉に、

「よき」

があります。

「よい」

という意味で使っています。きょう(5月1日)も、「かんさい情報ネットten.」の「めばえ」のコーナーで、きょう赤ちゃんが生まれた若いお母さん(25歳)が、自分が産んだ子どもを見て、こう言っていました。

「ちっちゃくて、かわいくて、よき!」

そう、この使い方です。

「ミヤネ屋」の若いスタッフ(20代前半・男女)に聞いてみたところ、

「ああ、言いますね。」

「どういう感じで使うの?」

「LINEとかで、『いいね』の代わりに使う感じで。『このお店どう?』『ああ、よき!』みたいな感じで」

「へー、男性も使うの?」

「使いますね」

「いつ頃から使ってるの?」

「私は、学生時代から使ってます」

「ってことは(気を使いながら)4~5年前から?」

「そのぐらいですね」

ということでした。やはり使われている。これは、飯間さん、普段から学生と接しているからきっと気付いているけど、「三国(三省堂国語辞典・第八版)」に載せているかな?

引いてみると、あ、載せていない!

「よき(良き)」は載っていましたが、「文語」としての使い方の、

「良き友」「良きにつけ悪(あ)しきにつけ」「きょうの良き日(=結婚式など、晴れの日)」「(殿様などが)良きにはからえ」

しか載っていませんでした。これは、

「新語・俗語なので定着しない」

という判断なのでしょうか?

ちょうど「ミヤネ屋」の澤口アナウンサーと会ったので、

「『よき』って使う?」

と聞くと、

「ああ、もう『死語』ですけど、2年ぐらい前までは使っていましたね。LINEで連絡するときに。今は『あり』を使いますね」

「え?『あり』?モハメッド?」

と答えましたが、もちろん、全然、受けませんでした。

フン!そんなの、わかってらい!(受けないことが)わかっていても、言わずにはいられないのが「オヤジギャグの使命」なんだい!

話が横にそれました。

「でも『あり』じゃあ、『よき』よりも、なんか評価が下がった感じがするけど…。」

「たとえば、『きょう、ご飯行く?』とLINEしたときの返事で『あり!』という感じです。」

「それじゃあ、『ОK』みたいな感じか」

「そうですね」

ふーん、知らないところで知らない言葉が使われていますね。「よき」も「あり」も特徴は、

「センテンスが短い」

ということかな?LINEで使われるということは、いわゆる、

「打ち言葉」ですかね。

東北地方で、

「どさ?」(どちらへ行かれるんですか?)

「ゆさ」(お湯屋=銭湯に行きます)

とか、

「け」(召し上がれ)

「く」(いただきます)

というような感じなのかなあ?

グーグルで検索できるだろうか?一応してみました。(5月1日)

「よき、LINE」=335万件

そうか、「LINEスタンプ」に「よき」があるんだ!60種類も!

そして検索した中で「言葉マップ(KOTOBA MAP)」というサイトに、

「よき(良き)の意味とは?女子高生が使う若者言葉が3分でわかる!」

という興味深いタイトルの記述が。それによると、

「女子高生が使う『よき・良き』に関しては、『よき=良いね!良い』という感じで覚えておけばOK!」

使い方は、

「昨日見に行っていた映画、面白かった?」「うん!アクションシーンが特によき」

「そのコーディネート良きだね!」

「明日遅刻しそうだから、8時にずらしてもらっても良い?」「よき良き!」

と使うそうです。

少し前に「武士言葉」がはやったことがありましたが、「古文」で使うような言葉を使うって、時々はやりますね。

 

(2024、5、1)